092号

092号 page 111/132

電子ブックを開く

このページは 092号 の電子ブックに掲載されている111ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
「潜在的失業」状況に関する一考察109企業を志向する傾向もみられた。その一方で,地元にも比較的近く安定しているといった理由で近畿・関東地方を希望している者も多かった。 四国や九州などの地方では少子高齢化....

「潜在的失業」状況に関する一考察109企業を志向する傾向もみられた。その一方で,地元にも比較的近く安定しているといった理由で近畿・関東地方を希望している者も多かった。 四国や九州などの地方では少子高齢化が進み,若年人口が減少している。特に中山間部は企業もほとんどなく,各県の中核市においても就職先が限られることから出身県外を希望する人が多い傾向があるが,今回の調査結果から,地元に残って貢献したい人が多く地元に対する愛着が強いことがわかった。家族の元に帰りたい,親の面倒を見てあげたいといった理由も少なくなかった。しかし,こうした傾向も現実的な就職となると事情が変わるようだ。2~3年生では地元志向の傾向があるが,4年生になると企業の数,求人の有無や選択肢などの現実が見え,地元での就職希望はより少ないものになる。 最後に,働く上で重視するものについての質問である。回答は,やりがい,仕事の内容,賃金,労働環境・条件,ネームバリュー,通勤時間,社会保険の充実などの選択肢から2つを選ぶというものである。その結果,やりがいを重視する人が43%,賃金を重視する人が29%,仕事の中身を重視する人が17%だった。性別で見ると,男性では47%の人がやりがい,25%の人が賃金,9%の人が仕事の中身で,女性も38%の人がやりがい,35%の人が賃金,18%の人が仕事の中身を重視しており,男女ともその順位は同じだった。さらに,男性ではやりがいを重視する人が多いのに対し,女性はやりがいを重視する人と賃金を重視する人の割合があまり変わらなかった。近年,女性の社会進出が進むと同時に,従来の家計補助的なものから家計中心的なものへと女性の働き方も変わってきており,その重要性も増していることがうかがえる。④「潜在的失業」状況に関する事項 この項目は,将来就職した場合や,失業状態にある場合を想定し,どのような就労・求職・転職行動をとるかについて,現時点で予想して答えてもらうものである。まず第1に,派遣・契約社員やパートタイマーなどの非正社員として働いていて,その仕事に満足していない場合を想定した質問群についてである。まずこの場合に転職を希望するか, そのまま働くかという質問に対しては,「転職を希望する」と回答した人が 8 5 .0%,「そのまま働く」と回答した者が