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114 高知論叢 第92号  3.「潜在的失業」状況に関する分析・考察(1)転職意欲と再就職活動 まず,派遣や契約社員,パートタイマーなどの非正規社員として働いていて満足していない場合(以下では「ケース1」....

114 高知論叢 第92号  3.「潜在的失業」状況に関する分析・考察(1)転職意欲と再就職活動 まず,派遣や契約社員,パートタイマーなどの非正規社員として働いていて満足していない場合(以下では「ケース1」と表記する),どのような行動を取るかについてである。有効回答数186人のうち,転職を希望し,転職活動を行うとする者が158人( 85.0%),そのまま働くと答えた者が28人( 15.0%) であった。また,前者のうち,それまでの仕事を辞めて再就職活動を行うとする者が32人(20.3%),仕事を続けながら転職先を探すと答えた者が122人( 77.2%),回答なしが4人であった。さらに,前者のうちハローワークに通うなど実際の求職活動を行うと答えた者は24人にとどまった。 このように,仮に不本意な就労にあり,転職を希望する場合,約8割の者が,現在就いている仕事を辞めずに求職活動を行うと回答した。こうした条件下にある人にとって,確実に次の仕事につける見込みがない以上,実際にその仕事を辞めることには相当のリスクが伴い,実際に踏み切れないのではないかと考えられる。転職を希望しないと回答した28人についても,その理由として「リスクがあるので」,「再就職できるかどうか不安だから」,「すぐに次の仕事が見つかるとは思えないから」などといった回答が多い。両者とも,定義上「失業者」には該当しないが,共通するジレンマを抱え,非自発的で不安定かつ非定着型の就労状況にあるといえるだろう。(2)就職意欲と求職活動 次に, 失業している場合( 以下では「 ケース2」 と表記する) についてである。有効回答数182人のうち,就労を希望し,求職活動をすると答えた者が177人( 97.3%),しないと答えた者が5人( 2.7%) であった。また,就職意欲のある前者のうち,生活費などのため,アルバイトをしながら求職活動を行うと答えた者が159人(89.8%),アルバイトをせずに求職活動に専念すると答えた者が18人( 10.2%)であった。一方後者のうち,求職活動はしないものの,アルバイトで収入を得ようとすると答えたものが2人であり,求職活動もアルバイ