092号

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「潜在的失業」状況に関する一考察115トもしないといういわゆるニート的な状態を選ぶ者が1人あった。 このように,失業状態にある場合,ほとんどの者が就労を希望し,求職活動を行うとしながらも,そのうち約9割....

「潜在的失業」状況に関する一考察115トもしないといういわゆるニート的な状態を選ぶ者が1人あった。 このように,失業状態にある場合,ほとんどの者が就労を希望し,求職活動を行うとしながらも,そのうち約9割の者が生活費を稼ぐためにアルバイトをすることから,失業者として把握されないことになる。さらに,不本意かつ不安定で短期型の非正規就労であることから,これらの人も「潜在的失業」状況にあるといえる。(3)「潜在的失業」状況の可能性 近年,日本においてニートや「パラサイト・シングル」と言われるように,親の助けを借りて職に就かずにいる者が,若年層で増加しており,「潜在的失業」状況を助長している。そこで私たちは,「潜在的失業」状況に陥りやすい人というのは,はっきりした目標がなく,自分の長所などをアピールできないのではないかと考え,その関係を検証した。その結果,「ケース1」,「ケース2」でそれぞれ「潜在的失業」状況が想定される回答をした者のうち,長所や資格など人にアピールできるものがあり,目標を持って大学生活を送っている者の割合が高く(「ケース1」では47.9%,「ケース2」では46.5%),反対に,長所や資格などの人にアピールできるものはあるが,目標はないと答えた者の割合は他に比べて低かった(「ケース1」で5.1%,「ケース2」で5.7%)。 結果的に当初の予想は覆された。しかし一方で,目標をもつことよりも自分の長所や仕事に活かすことのできる資格,社会に出たときに自分をアピールで表2-1 長所・自己アピールと目標の有無(ケース1)(n=122)目標がある目標がない長所・自己アピールがある47.9% 5.1%長所・自己アピールがない22.2% 24.8%表2-2 長所・自己アピールと目標の有無(ケース2)(n=159)目標がある目標がない長所・自己アピールがある46.5% 5.7%長所・自己アピールがない25.5% 22.3%