092号

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31 論 説生 産 関 係 と 資 本 の 価 値 増 殖頭  川     博  はしがき―問題の所在1 貨幣と社会関係2 生産条件の排他的所有3 排他的所有と価値増殖4 先行研究の陥穽むすび  はしがき―問題の....

31 論 説生 産 関 係 と 資 本 の 価 値 増 殖頭  川     博  はしがき―問題の所在1 貨幣と社会関係2 生産条件の排他的所有3 排他的所有と価値増殖4 先行研究の陥穽むすび  はしがき―問題の所在 生産条件( 生産手段プラス生活手段) は,超歴史的に存在するため,それ自体資本ではなく,排他的に所有されたばあいにのみ,資本として機能する。だから,資本とは,排他的に所有された生産条件である。生産過程で,排他的所有になる生産条件は,その一成分の生活手段との交換でえられた労働力の生産的消費からうまれる剰余価値分だけ,自己増殖する。そうだとすれば,資本とは生産関係だというマルクスの命題は,生産条件の排他的所有が生産関係だということをいみすることになる。 そこで,生産条件の排他的所有は,なにゆえ,それ自身生産関係をあらわすのかというプリミティブな疑問がうまれる。いったい,生産条件の排他的所有は,なぜ,それ自身資本家と労働者とが社会的生産でとりむすぶ特有な関係の表現なのであろうか。ここには,『資本論』 研究における本質的には未解決の根本問題の一つがある。というのも,資本が生産関係だという命題は,生産関   高 知論叢(社会科学)第92号 2008年7月