092号

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生産関係と資本の価値増殖35の構成要素として依存しあう関連にたちながら,直接には私的労働によって独立的につくられるため,商品へと転化する。だから,商品は,それ自身,おのおの依存しあっている労働が別個にお....

生産関係と資本の価値増殖35の構成要素として依存しあう関連にたちながら,直接には私的労働によって独立的につくられるため,商品へと転化する。だから,商品は,それ自身,おのおの依存しあっている労働が別個におこなわれる社会関係を内包している。  2 生産条件の排他的所有 前節で,貨幣は,一つの独立した客体でありながら,それ自身社会的関係をあらわすゆえんをといた。そこで,本節では,議論をさらに一歩すすめ,排他的に所有された生産条件からなりたつ資本は,それ自身一つの生産関係を表現することを主張する。 古典派経済学は, 生きた労働に対比される 「蓄積された労働」 すなわち生産条件そのものを資本と規定した。 「労働および資本( すなわち, 蓄積された労働) ①」(リカード『経済学および課税の原理』雄松堂書店,堀 経夫訳,410[原]ページ) とか「労働4 4 と資本4 4 …一は直接的…労働…他は蓄積された…労働」( ジェームズ・ミル『経済学綱要』 春秋社,渡辺輝雄訳,93ページ,圏点―ミル) または「資4本4 すなわち蓄積された動産の富」(『チュルゴ経済学著作集』 岩 波書店, 津田内匠訳,98ページ,圏点―チュルゴ)といわれるとおりである。 しかし,生産条件としての蓄積された労働は,生産活動がなりたつための超歴史的な必須要件をなすにすぎない。そこで,リカードにかんして「彼にとっては,資本主義的生産様式は社会的生産の自然的かつ絶対的な形態である」(『資本の流通過程』大月書店,中峯照悦・大谷禎之介他訳,290ページ) とマルクスがいうとおり,古典派は,資本主義をもって生産の自然的な形態と誤認したため,生産に永遠に必要な物質的条件をもって特殊歴史的にのみ機能する資本と同一視した。「経済学者は, 資本主義的生産過程をただ労働過程4 4 4 4 からのみ考察しているあいだは, 資本は原料や道具などのような単なる物4 であると断定する。」( 『 直接的生産過程の諸結果』国民文庫, 岡崎次郎訳, 469c[原]ページ,圏点―マルクス)「リカードにとっては,…資本は単にある物的なもの,労働過4 4 4程4 における単なる要素にすぎない。」( Mehrwert , MEGA , Ⅱ/3・3,S . 1025,圏点―マルクス) ちなみに, 資本が生産条件と混同されれば, 賃労働も人間