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生産関係と資本の価値増殖37それからの排除を内包し,労働力商品によって固有になりたつ賃労働を予定する。「労働条件が労働者にたいしてとる形態には,彼の労働の社会的被規定性が対応する。」(MEGA, Ⅱ/3・5,S . ....

生産関係と資本の価値増殖37それからの排除を内包し,労働力商品によって固有になりたつ賃労働を予定する。「労働条件が労働者にたいしてとる形態には,彼の労働の社会的被規定性が対応する。」(MEGA, Ⅱ/3・5,S . 1 849) したがって,生産条件の排他的所有は,貨幣が社会関係の表現であるのと同様に,それから排除された圧倒的多数者の賃労働とペアでしか存在しないため,それ自体のうちに一つの生産関係をふくんでいる。 さらにくわしくみれば,生産条件の排他的所有が生産関係を内蔵するため,マルクスは,資本と賃労働とは,生産条件の排他的所有という同一の関係のもつ両面だというのである。  「資本と賃労働とは,同一の関係の二つの要因を表現するものにすぎない。」(MEGA,Ⅱ/3・1,S . 1 00) 資本と賃労働とは, 生産条件の排他的所有の両面であるため,単一不可分な存在である。ここで,資本と賃労働の二要因を規定する「同一の関係」とは,生産条件の排他的な所有をさす典拠について,つぎの引用文がしめすとおりである。「非労働者によるこの生産手段の所有こそは,労働者を賃金労働者に転化させ, 非労働者を資本家に転化させるのである。」(Kapital, Ⅲ, S . 5 1) したがって, 生産条件の排他的所有という一つの事物のA面が資本だとすれば,B 面が賃労働だという関係にたつ。生産条件の排他的所有という同一事物のA 面とB 面が,資本と賃労働である。ちなみに,生産条件の排他的所有をなりたたせる資本の本源的蓄積が賃労働の生成でもあるという事情は,その排他的所有が資本と賃労働の二面を内包することをものがたる。 したがって,排他的所有になる生産条件がそれ自身生産関係の表現だとすれば,資本とは,古典派の規定のように,たんなる物ではなく,本質的に生産関係だという結論に到達する。「資本4 4 もまた一つの社会的生産関係である。それ4 4は一つのブルジョア的生産関係であり4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 ,ブルジョア社会の一生産関係である。」(『賃労働と資本』国民文庫,村田陽一訳,46ページ,圏点―マルクス)「資本は物ではなく,一定の,社会的な,一定の歴史的な社会構成体に属する生産関係であ( る)。⑥」( Kapital, Ⅲ , S . 8 2 2) ここで,直接には,資本という一つの要因が生産関係に還元されている事実に最大限の注意を喚起すべきである⑦。資本が生産関係だという命題は,生産条件の排他的所有が生産関係の表現だというのと