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生産関係と資本の価値増殖39⑧ 「産業資本の存在は, 資本家と賃金労働者との階級対立の存在を含んでいる。」(Kapital,Ⅱ, S . 61)「自分を増殖する価値としての資本は,階級関係を,賃労働としての労働の存在にもとづ....

生産関係と資本の価値増殖39⑧ 「産業資本の存在は, 資本家と賃金労働者との階級対立の存在を含んでいる。」(Kapital,Ⅱ, S . 61)「自分を増殖する価値としての資本は,階級関係を,賃労働としての労働の存在にもとづく一定の社会的性格を,含んでいるだけではない。それは,一つの運動であり,いろいろな段階を通る循環過程であ( る)。」(Ibid., S . 109, 圏点―頭川)⑨ 「生産物が資本4 4 になるのは, ただ, それがある特定の, 歴史的に規定された社会的生産関係を表わすかぎりにおいてでしかない。」( MEGA,Ⅱ/3・1, S . 137, 圏点―マルクス)  3 排他的所有と価値増殖 前節で,排他的所有になる生産条件は,その自体一つの生産関係をあらわす理由を考察した。ところが,資本とは生産関係だという命題の眼目は,生産関係によって剰余価値がうまれる点にある。だから,排他的所有になる生産条件が生産関係だとすれば,その生産条件の排他的所有そのものが,剰余価値を直接に規定する関係にたつことになる。つまり,排他的所有になる生産条件が生産関係だとすれば,その生産条件の排他的所有は,それが直接的な規定要因となって,剰余価値をうみだすという因果関係をなりたたせる。けだし,剰余価値は, 生産条件の排他的所有が母胎となってうみだすその独自な自己増殖分だからである。「剰余労働の創造ということがまさに資本の概念なのである。」(Grundrisse, MEGA, Ⅱ/1・1 , S . 255) ようするに, 資本は生産関係だという命題は,生産条件の排他的所有がなぜそれ自身生産関係であるのか,さらにそれはいかにして剰余価値の創造を規定するのかという二つの論点からなりたつ。前者の論点は前節ですませたが,後者の論点はのこっている。そこで,本節では,排他的所有になる生産条件が価値増殖を成立させる一本のすじみちをとき,剰余価値は,労働力に反映した生産条件の排他的所有の直接的な果実であるという事実を主張する。 剰余価値は,労働力の発揮によって支出される生きた労働によって形成される。そのため,剰余価値の直接的な源泉は,労働力であるという認識でもって能事おわれりとする傾向がねづよく定着している。しかし,生産条件は,特定