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持続可能な都市農村交流拠点( 農林漁家民宿) のために61 なお,図4の開業数以外にも規制緩和を利用していない開業が存在する。平成17年度農林センサスでの農家民宿の数4が3671軒であるから,相当な伸びといえる....

持続可能な都市農村交流拠点( 農林漁家民宿) のために61 なお,図4の開業数以外にも規制緩和を利用していない開業が存在する。平成17年度農林センサスでの農家民宿の数4が3671軒であるから,相当な伸びといえる。 2.グリーン・ツーリズムへの期待と現実 グリーン・ツーリズムが地域の活性化や住民の充足感につながるものであるということは,すでにいろいろな場面で語り尽くされた感がある5。そして,産業の振興,環境や景観の保全,まちづくり,といった地域活性化効果はもちろんのこと,今や,団塊の世代の地域への移住や都市の子どもへの教育効果6など,都市生活や消費社会がはらんでいるある種の脆弱性を支える役割を農山漁村に期待する動き7さえ始まっている。 前述したようにグリーン・ツーリズムは通過型の体験観光旅行からもぎ取り果樹園,市民農園,援農,宿泊,定住まで含む懐の大きさがあり,様々な期待に応える可能性を持っている8。しかし,今の時点では一部の成功例を除いて,全国各地でグリーン・ツーリズムの芽生えがその伸びていく方向を模索しているのが現状であり,取り組みごと地域ごとに,発展途上ゆえの課題がある。4 農林業センサスにおける「 農家民宿」とは,農業を営むものが,旅館業法( 昭和23年法律第138号) に基づき,都道府県知事の許可を得て観光客等の第三者を宿泊させ,自ら生産した農産物や地域の食材を使用割合で半数以上用いた料理を提供し,代金を得ている場合をいう。5 グリーン・ツーリズムのもたらす活性化等については,代表的なものとして,美山町を事例とした「中山間地域における新しい村づくりと地域経営( 宮崎猛編著( 2002)」や「グリーン・ツーリズムの社会的・経済的効果(山﨑光博(2004)」, 安心院町, 西米良町,飯田市,小国町の事例を取り上げた「日本型グリーン・ツーリズムの事例(青木辰司(2004)」等がある。6 「都市と農山漁村の共生・対流に関するプロジェクトチーム」が平成19年6月21日に取りまとめた府省連携の対応方向に基づき,総務省,文部科学省,農林水産省の3省が連携して,①学ぶ意欲や自立心,思いやりの心,規範意識などを育み,力強い子どもの成長を支える教育活動として,小学校における農山漁村での長期宿泊体験活動を推進する。全国2万3千校( 1学年120万人を目標) で体験活動を展開することを目指し,平成20年度から5年間で,①農山漁村における宿泊体験の受入体制の整備,②地域の活力をサポートするための全国推進協議会の整備等を進める。7 地震や津波などの震災に対して,商店街が疎開先を用意してそれを住民に売り出す「震災疎開パッケージ」などがある。東京の早稲田商店会が2002年に開発し,事務局となる全国商店街震災対策連絡協議会を立ち上げ,他の商店街にも働きかけて売り出した。8 山﨑光博(2004)pp. 38-48。