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持続可能な都市農村交流拠点( 農林漁家民宿) のために81てなしすぎによる食材費の膨張傾向が経営を圧迫する可能性がある。そういう場合はモデル2のように宿泊料金を見直して赤字を減らす工夫が必要となる。もっと....

持続可能な都市農村交流拠点( 農林漁家民宿) のために81てなしすぎによる食材費の膨張傾向が経営を圧迫する可能性がある。そういう場合はモデル2のように宿泊料金を見直して赤字を減らす工夫が必要となる。もっとも地域全体から見れば,これらの食材がもっぱら地域内で購入されるとすれば大きな経済効果をもたらしているということになる。(2)外注加工品  「外注加工品」として,地域内の農産物加工名人などに料理を委託した場合の金額を想定している。 農家民宿ではこのように地域内農産物の需要を生み出している場合が多い。原価とは別の話になるが,上の地域内購入食材等と併せ,農家民宿が地域にもたらす経済効果はもっと大きく評価されるべきである。(3)労務費  WAN 研究所(2007f)では,「製造などに従事する人件費は,利益で配分するものではなく,あらかじめ原価に算入し,コストとして回収するのだとの意識をしっかり持つことが大事です」と指摘している39。 つまり,原価の考え方からいうと,宿泊客をもてなすためにかかる労賃は製造原価に入る。 しかし,農家民宿のみなさんの「給与(自家労賃)」についての「受け止め方」は通常の営利活動とはあきらかに趣を異にしている。 民宿経営でどの程度の給与が必要か,ということについて農家民宿のみなさんからは様々なご意見をいただいた。長年「農家民宿」を経営してきた方からは「農作業とくらべて,お客様とお茶をいただきながらの語らいはなんと優雅な時間であることか」というお話があった。お客さんと接する時間は充実感のある時間であり,賃金を生むための忍耐や苦役の時間ではないという。 そういう要素を加味し,本シートでは経営者自身が労働時間と受け止める時間数を「体感労働時間」として労賃の算定に使用するようにした。「体感労働時間」も結局は労賃の圧縮を肯定するものではないかというご指摘は覚悟しつつ,それでも「 疲れ」 を覚えずにやっていけるにはどの程度の対価が必要なのかを39 WAN研究所( 2007f) p. 11を参照のこと。