092号

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86 高知論叢 第92号 例えばかつてエコロジー商品が定着していく過程で製造サイドは機能や使用感を現行商品に近づける努力をし,消費者は商品の背景や理念への共感を深めることによってニーズが育っていったように....

86 高知論叢 第92号 例えばかつてエコロジー商品が定着していく過程で製造サイドは機能や使用感を現行商品に近づける努力をし,消費者は商品の背景や理念への共感を深めることによってニーズが育っていったように,民宿側は「宿泊業として求められる品質」の確保に努めつつ,農山漁村との精神的なつながりを重視する都市住民(「グリーンライフコンシューマー42」とでもいう新たな概念に基づく呼び方が必要であろう) とともに新たな市場を育てていく43のが理想的な姿のように思える(図13)。42 佐藤誠,山崎光博,篠原徹(2005)では「世界的に都市のなかで物を大量消費する暮らしから,大地に根ざした持続可能な暮らしへ転換したい。ゆっくりと流れる時間を大切にしていのちゆたかに暮らしたい,といったライフスタイルの転換が顕著にみられるようになっている」とし,「ガーデニングなど緑ある余暇活動…(中略)…農業を基盤にした新たなビジネスに取り組む人びと」のような取り組みやライフスタイルを「グリーンライフ」と定義している。本稿では,この定義による「グリーンライフ」を指向し,かつ「農山漁村を理解や敬意をもって支持する」都市住民の方々を仮に「グリーンライフコンシューマー」と名付けた。43 全国的な「ツーリズム大学」の開校など「学びのネットワーク」もこれにつながるものと思われる。 図13 新たなGT市場の造成作成:山?眞弓