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持続可能な都市農村交流拠点( 農林漁家民宿) のために89ない段階といえる。 3.おわりに 都市は「自分たちとは違う時の流れ」への共感と敬意を持ち,農山漁村は「心豊かなくらし」のおすそわけができる, そう....

持続可能な都市農村交流拠点( 農林漁家民宿) のために89ない段階といえる。 3.おわりに 都市は「自分たちとは違う時の流れ」への共感と敬意を持ち,農山漁村は「心豊かなくらし」のおすそわけができる, そういう関係が社会の中に定着するまで,それは長い道のりかもしれず,息長く疲れずに続けていきたい。「経済性」 48 は他の課題とは違って,もの静かな性質らしく,ひそかに後ろからついてくる。グリーン・ツーリズムの現場で聞いたかすかな足音がいつか立ち現れる前に何か手立てがあれば,という思いがこの提案となった。御助言,御協力をいただいたたくさんの方々には,あらためて厚くお礼を申し上げる。 本稿はけっして個別経営体型グリーン・ツーリズムにおける「経済至上主義」を主張するものではない。むしろ地域経営型グリーン・ツーリズムとして「3億5千万円の直接消費と7億円の波及効果」 49 を地域内のくらし全般に波及する仕組みを構築しつつ,「農家の元気を生産している」50 と誇り高く総括される飯田市はじめ全国の先進地の地道な取り組みへの(少しでも近づきたいという思いを込めた)つまりはオマージュであることを最後に告白しておきたい。(謝辞)本稿をまとめるにあたって,明治大学農学部竹本田持教授には,本稿の草稿段階から貴重なコメントをいただいたほか,論文・資料等の提供をしていただいた。ここに記して感謝いたします。48 小室重雄,深山一弥編著( 2000) p. 281では,「活性化に向けて現実にさまざまな試みがなされているにもかかわらず,経済的側面で満足すべき結果を得られないために,その試みを断念せざるを得ない事例が非常に多い。」とある。49 農林水産省農村振興課都市農業・地域交流室( 2007) を参照のこと。50 井上弘司( 2007a) および井上弘司( 2007b) を参照のこと。