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日本における金融CSRの現状と活動(4) 9ら再調査を命じられたり,くりかえし業務改善命令を出されなければ動かないなどのことは,保険会社のような一流会社がすることではない。会社トップが責任を取らなかったり....

日本における金融CSRの現状と活動(4) 9ら再調査を命じられたり,くりかえし業務改善命令を出されなければ動かないなどのことは,保険会社のような一流会社がすることではない。会社トップが責任を取らなかったり, 引責辞任した役員がしばらくすると復権することがあったが,重大な社会的犯罪を犯したとの罪の意識がないのだろうか。人間としてのモラルや品格に欠け,自己保身しか考えないトップのすることは(会社に限らず),いつも醜い。 以上の状況をふまえて, 今回のアンケートで示された保険会社のCSR 取組み事例をながめてみると,次のような興味深い特徴が浮かびあがる。 第 1 に,コンプライアンスの取組み事例が件数からみても比率からしても少ないことと,それと対照的に,顧客・消費者に関する取組みや顧客満足度活動の取組みが他の項目と比較して圧倒的に多いことである。しかしこれも結局は上記のことを考慮すれば,消費者のための取組みというよりは,新規契約を獲得するための,そして自分の営業利益をあげるための活動の現れだったということになる。 コンプライアンスに,[未払い対応]の取組み事例がただ 1 件だけあったが,2005年10月に最初の業務改善命令が出されているので,それに対応した会社の事例かと推測できる。しかしただ 1 件というのはあまりにもお粗末で,他の保険会社は他人事のように受け止めていたのだろうか。 第 2 に,世界の保険会社が地球温暖化リスク対策や地球環境保全,社会的責任投資(SRI)などに熱心に取組んでいることは周知のことであるが,日本においてはまだ少数である。(非金融業務による支援)として自然保護支援に取り組んでいるところは多いが,環境保全についての(金融業務を通じた支援)の取組みは,エコファンド「ぶなの森」の開発・販売,それにカーボン・ディスクロージャー・プロジェクトへの参加などの先進的な取組み事例があるだけである。また環境教育への取組みもただ 1 件だけだった。 保険会社の重要な業務に資産運用がある。地球温暖化対策や地球環境保全,それに地域の保健・健康管理に取り組んでいる企業や団体などを支援し,CSR先進企業へ優先投資するなどの資産運用が,社会的使命を達成することになるとわたしは考える。しかし社会的責任投資(SRI)の取組みとして申告されたも