093号

093号 page 48/114

電子ブックを開く

このページは 093号 の電子ブックに掲載されている48ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
46 高知論叢 第93号(分類基準など)について吟味を行う。続いて次章(第三章)においては,筆者の主目的に適合する本社機能分類を見出すためには,それらの分類方法をどのように組み合わせるべきか(あるいは,新....

46 高知論叢 第93号(分類基準など)について吟味を行う。続いて次章(第三章)においては,筆者の主目的に適合する本社機能分類を見出すためには,それらの分類方法をどのように組み合わせるべきか(あるいは,新しい分類方法はどうあるべきか)等について検討する。そして第四章において,それまでの吟味・検討の結果等をもとに,筆者の主目的に適合する本社の定義を導出するとともに,その特徴・独自性や補足事項・注意事項等について,経営学分野の既存の諸文献における本社の定義の諸事例等との比較も行いつつ,明らかにしていく。 なお,本社が担う諸機能の範囲の特定や当該諸機能の分類の仕方等は,各論者の問題意識に応じて変化するのはもちろん,分類が行われた時代の状況にも少なからず影響を受けていることに,注意する必要がある。 第二節 わが国における本社機能分類第一項 初期の本社機能分類 まず,わが国における本社機能分類の諸事例に関し,大まかに当該諸文献が刊行された時代別に区分すると,その初期のものとして,小野豊明(1957)7によるものを挙げることができる。小野はわが国の諸企業26社の職制の諸実例に現れた本社の職能(機能)を,第3表8のように整理した9。 このような試みが,当時においても希少であったことは,小野自身が,「最近各社では経営管理近代化の一環として,先進諸国,とくにアメリカで発達した組織の原則によって組織の再編成を行いつつある。そこでは,職能の分化,部門の編成,権限の委譲,ラインとスタッフなどいろいろの面が取り上げられてい 第3表  小野豊明(1957)による本社機題能分類及び関連諸事項の要約・業務運営の基本計画・会社全体の指揮,統制および調整・中央で総合処理を必要とする業務・場所との関係を有しない本社特有の業務(法務,重要記録の保管事務など)・本社という場所の業務(工場事業所と同じように本社という事業所が存在するために生じる事務所の管理,本社従業員の賃金計算などの業務) 資料:小野豊明(1957)における諸議論の一部(pp. 146?155等)の内容を整理・要約した。