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現代ドイツの地域間格差是正政策に関する一考察73 ザクセン州が他の新州に比べて歳入を多く確保できているということは,ドイツの財政調整制度が人口一人当たりで見た歳入の同等性を目指しているものであることから....

現代ドイツの地域間格差是正政策に関する一考察73 ザクセン州が他の新州に比べて歳入を多く確保できているということは,ドイツの財政調整制度が人口一人当たりで見た歳入の同等性を目指しているものであることから生じている。表3は,各州の人口および人口密度についてみたものである。ザクセン州の人口が427.4万人であるのに対して,他の州は240~250万人,最も人口の少ないメクレンブルク?フォアポンメルン州でみれば170.7万人と,半分以下でしかない。財政調整制度の内部において,人口密度の低いザクセン州以外の州は 2~5 %分住人数が割増補正されてはいるが, 一人当たりで計算した歳入額に基づいて調整し,その合計額をみれば,当然人口数の多いザクセン州に有利である。さらに面積と人口密度の差を考慮すれば,他州に比べ面積が狭く人口密度の高いザクセン州は財政運営を比較的効率的に行なえる条件が存在しているといえる。 人口分布のあり様は,自然条件や歴史的に規定されている部分が大きいが,もちろん各州の経済状況および雇用の状況も反映している。地域社会の再生産は,人々の雇用や労働の条件が存在していることが必要である。また,経済活(     )( 出所) 図4に同じ。図5 新州の歳入額の比較(2005年)