093号

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6 高知論叢 第93号さから厳しい行政処分を受けたことはショックだった。これまでの金融CSRのあり方に警鐘を鳴らす大事件でもあったのである。 まずは生命保険会社からその経過をみてみよう。 2005年 2 月,金融庁....

6 高知論叢 第93号さから厳しい行政処分を受けたことはショックだった。これまでの金融CSRのあり方に警鐘を鳴らす大事件でもあったのである。 まずは生命保険会社からその経過をみてみよう。 2005年 2 月,金融庁は明治安田生命の悪質で違法な死亡保険金不払いに対して業務停止処分をくだした。詐欺無効を不当に当てはめて保険金の支払いを組織的に拒否していたからである。この事態を重視して金融庁は, 7 月に生保各社に2001年度から 5 年間に支払うべきであった保険金や給付金についての調査命令を下した。これを受け生保各社が自主調査を開始することになった。10月には明治安田生命に 2 度目となる業務停止命令が下された。2006年 7 月には日本生命が保険金の支払い体制の不備で業務改善命令を受けた。2007年 2 月に,金融庁は自主調査が不十分だとして生保各社に 2 度目の不払いについての再調査命令を下した。 2007年10月 5 日に,生保全38社が不払い調査結果を公表したが,生保全体での不払いは合計で120万件,約910億円になった。そのうち大手生保 9 社だけで,約90万件,759億円をしめている。さらに続いて2007年12月 7 日には不払いについての最終調査結果が公表されたが,生保38社全体で131万件,964億円もの巨額な件数と金額になった。契約者が請求しないのをいいことに,知っていながら特約給付金の支払いを放置していたことや,保険商品の複雑さに現場が対表3 Q3・4 CSR を専門に担当する組織または機関およびその人数全金融機 関預金取扱金融機関保険会社証券会社等主要行等地域銀行信金・信組・労金証券会社投信・投資顧問金先業者ある165 86 20 20 46 22 57 30 20 7(%) 13.6 13.0 28.2 18.0 9.6 27.2 12.1 10.9 12.1 20.6ない・無回答1052 577 51 91 435 59 416 244 145 27(%) 86.4 87.0 71.8 82.0 90.4 72.8 87.9 89.1 87.9 79.4平均人員数(人) 4.8 4.7 4.8 3.8 5.0 8.0 3.7 5.4 1.9 1.7注)(%)は回答金融機関数に対する割合。平均人員数は「ある」と答えた金融機関における平均。出所)金融庁[2006]「金融機関のCSR 実態調査結果の概要(http://www.fsa.go.jp/)」より。