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16 高知論叢 第94号リジナリティとして評価)。 5-2 点数評価 点数評価で順位づけしたとき,上位の銀行と下位の銀行に分かれる大きな要因になったのは,取り組みの量であった(表3参照)。上位3行は量的評....

16 高知論叢 第94号リジナリティとして評価)。 5-2 点数評価 点数評価で順位づけしたとき,上位の銀行と下位の銀行に分かれる大きな要因になったのは,取り組みの量であった(表3参照)。上位3行は量的評価でもトップ3に入り,下位3行は量的評価でもワースト3であった。活動数がそのまま銀行の力の入れ具合だとわたしたちが考えたことがこのような結果に表れたが,一般消費者もそのように考える傾向にあるのではないだろうか。 個人情報の保護,ATMの利用しやすさといった取り組みは,多くの銀行で実施されているので高い評価に結びつくことはなく,反対にその取り組みすらしていない銀行は低い評価になってしまった。 金融商品が多いことは,顧客のニーズに応えようとしている良い銀行と見ることができるが,他方,商品の宣伝しかしない利益だけの銀行という悪いイメージも同時に浮き上がってしまった。 質的評価やオリジナリティ評価が高い銀行は, 顧客や企業に満足度調査を行ったり意見カードを回収したりするなどの,顧客ニーズを知ろうと努力する取り組みがあった。また,点字やスロープの設置などバリアフリーへの取り組みも高評価であった。地方銀行とは異なり巨大銀行では国際規格の認証取得が評価されていた。 1位のみずほ銀行を参考にしてみると, 個人情報の保護,ATM の利用しやすさ,セキュリティーの強化といった基本的な取り組みができていること,そして顧客のニーズを調査やアンケートで汲み取りそれを実現しようという取り組みがあったことが,高評価につながった。 5-3 総 評 顧客・消費者に関する金融CSR の取り組みについて, 全体としての特徴と改善すべきことについて話し合い,次のような意見を得た。① 全体的に商品・サービスにかかわる情報が多かった。「CSRは副業であり,本業を重視すべき」という考えを持った銀行が多いからだろうか。