094号

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金融機関の社会的責任活動(金融CSR)についての調査と評価(2007) 43  11 講 評(指導教授) 今回の報告書がまとまるまでには,実に一年半もの日時を要し,困難を極めた。わたしは,とても報告書を作成できる....

金融機関の社会的責任活動(金融CSR)についての調査と評価(2007) 43  11 講 評(指導教授) 今回の報告書がまとまるまでには,実に一年半もの日時を要し,困難を極めた。わたしは,とても報告書を作成できるところまで行き着かないだろうと,半ばあきらめもしていた。しかし学生たちは頑張って,とうとう完成させた。学生のねばり強さには感心した。春休みには,参加できる学生たちで自主ゼミをするというので,わたしはせっせと茶菓子と弁当を差し入れたりした。 このような困難に直面したのは,企業による横暴な人材獲得競争がますます激しさを増してきたからである。このため4回生時の1学期はもちろんのこと,3回生時の夏休み明けの2学期から早くも,ゼミなどの少人数教育での授業が成り立たなくなってきた。平日に開催される会社説明会に学生が参加するため,ゼミを欠席するからである。入れ替わり立ち替わり複数の学生がいなくなるのであるから,ゼミ学習に不可欠な一体性や継続性は失われてしまった。4) この苦境を何とか乗り越えようと,わたしはゼミ教室にDVD ムービーカメラを設置してゼミ風景を撮影し,ディスクに保存するようにした。就職活動で欠席した学生にはそのディスクを渡し,それをみて事後的であるがゼミでの議論状況について学習してもらったのである。 しかし何といっても,この苦境を救い大きな威力を発揮したのが,人文学部のWeb サイトに設置されたSソウルズOULS(オンライン学習支援システム)であった。このSソウルズOULS のおかげで,就職活動や教育実習などでゼミに出席できなくなった学生も,インターネットの端末を通じて,いつでもどこからでも,Web 上の紀国ゼミ掲示板にアクセスでき,書き込みをしたり,添付ファイルをダウンロードしたり,ファイルをアップできるのである。時間と空間をこえて簡単にゼミ情報を共有できるのであるから,これほど便利なものはない。 今回時間がかかっても,どうにか報告書を完成できるところまで来たのは,このSソウルズOULSがあったからである。SソウルズOULSをわが人文学部に導入された村端五郎人文学部教授(現人文学部副学部長・教務委員長)に心から感謝を申し上げたい。 学生が一般金融消費者の立場にたって,金融機関を社会的責任活動(金融CSR)で評価・格付けしてみようとする試みは,おそらく日本では初めてのことでな