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44 高知論叢 第94号いかと思う。市民団体や自治体の最近の活動に,環境問題についての銀行の取り組み状況をアンケートで調査し,その結果をホームページに掲載して預金者の銀行選択に役立ててもらおうというものが....

44 高知論叢 第94号いかと思う。市民団体や自治体の最近の活動に,環境問題についての銀行の取り組み状況をアンケートで調査し,その結果をホームページに掲載して預金者の銀行選択に役立ててもらおうというものがある。今後,このような活動が増えていくものと思われる。5) 今回の調査・評価目的としてわたしがあげた3点については,次のような貴重な成果が得られた。 ①の「金融機関がどのような社会的責任活動(金融CSR)をしているかどうか」については,学生がかなりの時間と労力を費やして銀行のホームページを調査し,高知市所在銀行について詳細な一覧表を作成した。本報告書の末尾に参考資料として添付したものである。これは, 金融CSR の項目ごとに各銀行の取り組みを簡略化してまとめたものであって,比較が容易で分かりやすい。 ②の「金融機関の社会的責任活動(金融CSR)を金融消費者が分析・評価するには,どのような方法があるか」について,学生たちが考えだした方法は独創的であり,とても興味深いものであった。「ホームページ表示評価」,「量的評価」,「質的評価」,「オリジナリティ評価」,「影響力&本業との関係評価」の五つである。 「ホームページ表示評価」は,金融機関が金融CSR の取り組みに対してどのような積極性や自覚をもっているかどうかを評価するものとしては,ざん新な方法である。これらの調査結果から,金融CSRの情報発信状況に関して金融機関の格差が大きいことが明らかになった。面白いことに,ホームページが見にくく分かりにくい銀行については, 金融CSR の取り組みも弱いという傾向を学生が発見した。 金融CSR の取り組みは多面的性格をもつので「量的評価」は必要なことであろうし,その取り組み効果と有効性を問題とするなら「質的評価」が欠かせないだろうし,さらに金融CSR は創造的な取り組みであるので「オリジナリティ評価」も必要なことである。また金融CSR の取り組みは社会に向けてのものであり,そのことで本業とも関係してくるので,「影響力&本業との関係評価」という視点も重要なことである。 以上の五つの基準で学生たちが12の銀行を格付けしてみたのであるが,金融CSR に積極的な銀行とそうでない銀行の違いや, 金融CSR の取り組み程度や