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金融機関の社会的責任活動(金融CSR)についての調査と評価(2007) 45取り組み方についての各銀行の特色が,十分に明らかになったと評価する。 ただ「質的評価」については,どういう金融CSR 事例がどういう場合に....

金融機関の社会的責任活動(金融CSR)についての調査と評価(2007) 45取り組み方についての各銀行の特色が,十分に明らかになったと評価する。 ただ「質的評価」については,どういう金融CSR 事例がどういう場合に質が高いか低いかについての集団的検討の時間は,上記の事情により,十分に確保できなかった。このため個々の学生の主観的判断に頼る部分が強くなってしまった。「質的評価」という視点は重要で奥が深いものである。学生の見解によれば第三者認証を得た取り組みが例示されたが,さらに多元的な視点を必要とするものと考える。もっと議論を深めれば興味深い論点が出てきたように思う。この議論には金融CSRの具体的な取り組みに関する知識も必要になるし,この点についての情報収集や学際的な学習も求められるようになる。 「影響力&本業との関係評価」についても,同様のことがいえる。どういう金融CSR 事例が社会的影響力が強いといえるのか, 本業にどのような作用をもたらすものなのか, 本業に金融CSR を組み込んだ金融商品をどう評価するのか, そもそも金融CSR は広い意味での本業ではないのか, などについて検討する時間的余裕はなかった。 その結果, 本業と金融CSR を結びつけたCSR 金融商品に対する評価視点が弱まってしまったようにも感じる。四国銀行の環境応援定期預金「絆の森」や香川銀行の環境ボランティア定期預金「花と緑」は,もっと高く評価していいものとわたしは考える。6) ③の「金融消費者が金融機関を社会的責任活動(金融CSR)で評価・格付けするとなると,どのような課題があるか」に関して,学生たちの挑戦からいくつかの課題が明らかになってきた。 第1に,Web 上での情報発信の重要性について認識が低く情報発信力が弱い金融機関がまだ多いことである。とりわけ地方銀行は宣伝が下手であると感じた。ホームページに掲載されていない金融CSRの取り組みも多いと思うが,ホームページを使えば,金融機関の一覧評価と選択に必要な情報が容易に入手できる時代であることを再認識し,Web 上の情報提供により積極的に努力してもらいたい。 第2に,情報提供にさいしては,どのような状況にあるどのような人であってもすべての人が,容易に理解できるよう工夫することが必要である。金融機