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金融機関の社会的責任活動(金融CSR)についての調査と評価(2007) 3 第2の意義と目的は,金融における学習活動としてのものである。3) 学生が自分の目と頭で調べ,そして自分たちで考えた方法で実際に所在す....

金融機関の社会的責任活動(金融CSR)についての調査と評価(2007) 3 第2の意義と目的は,金融における学習活動としてのものである。3) 学生が自分の目と頭で調べ,そして自分たちで考えた方法で実際に所在する金融機関やその金融機関が公表している金融CSR 情報を調査・分析・評価することによって,金融機関の社会的役割をより身近に知ることができ,教科書を受け身的に学ぶ教育から得られないことを経験し,自分で工夫する面白さを実感できて,学習意欲も高まるのではないかと考える。 このような学習と調査活動を通じて,金融CSRという視点からの金融機関評価能力をみがくことができるだろうし,学生が金融機関に就職したときには金融CSR について考え実践できる専門職業人になり得ることを期待できる。 第3の意義と目的は,この調査学習活動を通じて就職活動に重要な役割をしめる会社研究に関する意識を高めることである。 学生の就職活動を指導するに当たり, 会社研究が有効で合理的な方法であること,そしてそれが学生の苦手とするところでもあると知った。自信を失ってしまうこともある自己分析から入るより,会社という具体的で目にみえる情報に早くからふれるようにして,自分の適性や相性を探っていった方が有効である。わたしの専門ゼミには金融機関に就職を希望する学生も多いので,この調査・評価活動で学んだことが金融機関の会社研究に役立つであろうことを期待している。 なお,指導教授は上記の意義と目的をゼミ学生に提起し,参考文献にもあげた関連資料の配付とその学習を予備学習として指導したが,それ以降の調査項目の策定や調査方法さらに分析作業などの活動は,学生の自主的で集団的な作業にゆだねた。学生のもっている潜在的能力や創造性を引き出すためである。 以下,ゼミ学生によるその成果のまとめである。 なお今回の報告書を作成するに当たって,これまでとは異なり,具体的な金融機関名を公表するよう指導した。今回の調査と評価は,否定的評価(ネガティブ・スクリーニング)ではなく, 肯定的評価(ポジティブ・スクリーニング)だからである。法的規制などの社会的基準を満たしていない金融機関を選別するネガティブ・スクリーニングではなく,積極的に社会的責任活動を展開している金融機関を選び出し,その活動内容を評価するというポジティブ・スクリーニングなのである。