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66 高知論叢 第94号画している。断言は出来ないが,インドは,ジェネリック医薬品メーカーにとって,今後有力な生産委託先(国)となる可能性があると言える。また,一方,ルピン社などのインドのジェネリック医薬....

66 高知論叢 第94号画している。断言は出来ないが,インドは,ジェネリック医薬品メーカーにとって,今後有力な生産委託先(国)となる可能性があると言える。また,一方,ルピン社などのインドのジェネリック医薬品メーカーの日本進出に対しては,国内のジェネリック医薬品メーカーは,比較的冷静に受け止めていると思われる。本稿で見たように,ジェネリック医薬品メーカーの中には,日本の医療環境や医薬品流通の特殊性により海外のジェネリック医薬品メーカーの参入は難しいと考えている企業もある。 ジェネリック医薬品メーカーによる国内の業務提携は,ジェネリック医薬品メーカー同士では生産委託と受託を中心に行なわれており, また先発薬メーカーとは生産受託が主である。製薬業界は国際的にOEM が盛んであるとされる10)が,その一端が伺える。しかし,それに比べると,他業種との業務提携は少ない。提携の中心は薬卸売業ではあるが,全くの異業種である物流業との提携もある。最近,ヤマト運輸グループのヤマトロジスティクス株式会社が医薬品物流に参入するなどの動きがあり,今後他業種との提携は拡がる可能性がある。また,行政サイドでも,「後発医薬品の普及には,……後発医薬品企業や流通販売を含む,総合的な理解と取り組みが必要である11)」との指摘もあり,約22万にものぼる医療機関・薬局等12)への配送コストを考えれば,難しい側面もあろうが,流通,物流との提携は今後さらに必要になると思われる。 ところで,医療費抑制の要請から,ジェネリック医薬品の使用を促進するため処方せん様式が変更される13)など,ジェネリック医薬品メーカーにとっては好環境が整いつつある。また,ジェネリック医薬品の需要は,将来的には,厚生労働省による数量ベースで30%以上という現在の目標を超えて,さらに拡大する可能性もある14)。その一方で,本稿で触れた海外メーカーの進出以外にも薬価引き下げなど経営環境を厳しくする要因も多く存在する。たとえば,長期収載品の存在である。長期収載品は,ブランド力もあり,大きな市場シェアを占めており,ジェネリック医薬品の普及を難しくしている15)。また,厚生労働省による全規格収載要請16)も, ジェネリック医薬品メーカーには負担となっている。このような状況の中,ジェネリック医薬品メーカーにとって,国内での同業種,異業種を問わず提携関係を拡大することが,第一に必要と思われる。そして,