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94 高知論叢 第94号のような生産体制を形成し,またその生産体制をどのように変化させているのかについて考察する。この考察を行う中で,この問題に関する今後の研究のための基礎的な資料の整理を試みる。 本稿の....

94 高知論叢 第94号のような生産体制を形成し,またその生産体制をどのように変化させているのかについて考察する。この考察を行う中で,この問題に関する今後の研究のための基礎的な資料の整理を試みる。 本稿の構成は以下の通りである。第 1 節では,欧州における日系生産現地法人数の変化について確認する。第 2 節では,日本の親会社の側から,親会社が在欧生産現地法人の所有状況をどのように変化させているかについて検討する。第 3 節では,日本企業の欧州における生産体制の変化について,在欧生産現地法人の数の変化に止まらないより広い意味での生産体制の変化について検討する。第 4 節では,そのような生産体制の変化の中で,とくに生産移管の現状について検討する。1.欧州における日系生産現地法人数の変化 まず,欧州における日本企業の活動の全体的動向を確認するために,生産現地法人数の変化についてみておこう。 表 1 は,毎年度ジェトロが行っている調査『在欧州・トルコ日系製造業の経営実態』(以下,「ジェトロ調査」と表記)で,各年度の調査実施時点において把握された日系生産現地法人数の推移を示したものである(1)。 欧州全体の現地法人数は,2003年度まで増加し1007社に達し,その後はやや減少しつつもほぼ横ばいの状態にあり,2006年度には979社となっている。 ただし,西欧と中欧では,かなり状況が異なる。西欧の現地法人数は,2001年度まで増加したが,その後は減少し,2006年度にはピーク時の886社から773社へと113社の減少を示している。現地法人の新規設立があることを考えると,表 1  欧州における日本企業の生産現地法人数(社)年 度1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006西欧825 825 800 866 886 862 870 814 818 773中欧28 47 50 70 86 111 137 160 174 206合計853 872 850 936 972 973 1007 974 992 979(出所)『ジェトロ調査』(各年度版)より作成