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96 高知論叢 第94号親企業の比率は87.8%,増加させた親企業が10.1%,減少させた親企業が2.0%。9 割近い親会社が同数であり,現地法人数を変化させた親会社は 1 割強にとどまる。現地法人数を変化させた親会社のみに....

96 高知論叢 第94号親企業の比率は87.8%,増加させた親企業が10.1%,減少させた親企業が2.0%。9 割近い親会社が同数であり,現地法人数を変化させた親会社は 1 割強にとどまる。現地法人数を変化させた親会社のみに関しては,増加:減少の割合は5:1程度であり,増加させた企業の方がかなり多くなっている。 次に,西欧の現地法人数変化と中欧の現地法人数変化とを合わせて考察を行うと,以下のような特徴があることが分かる。第 1 に,現地法人数が両地域で同数の親会社が全体の45.6%を占め,この変化類型が最も多い分類となっている。第 2 に,それに次ぐ変化類型が,現地法人数が西欧減少・中欧同数であり,全体の36.2%となっている。第 3 に,西欧と中欧の両方あるいは片方で現地法人数を増加させた親会社も少なくなく, これらの変化類型の合計は16.5%(両地域で増加 4.1%,西欧のみで増加 6.1%,中欧のみで増加 6.3%)である。 以上より,2002年度に欧州に生産現地法人をもっていた日本企業の現地法人の新設・閉鎖に関する姿勢は,全体的には,西欧でも中欧でも同数という現状維持的なもの,あるいは中欧は同数で西欧では減少というやや消極的なものが中心となっている。しかし,一部には,西欧と中欧の両地域で,あるいはどちらかの地域で,積極的な企業展開を行っている日本企業も存在している。(2)3 種類の親企業の状況 前項では,2002年度に欧州に現地法人を所有していた日本企業542社全体の動向を考察したが,これらの日本企業は,西欧のみに現地法人を所有していた企業,西欧と中欧の両地域に現地法人を所有していた企業,中欧のみに現地法人を所有していた企業の 3 つに分類することができる。これらの 3 種類の企業では,企業の規模や海外進出状況などに大きな相違がある(3)。以下,これら 3種類の企業それぞれについて,欧州における現地法人所有数の変化について検討しよう。① 西欧のみに現地法人を所有していた親会社 表 3 は,2002年度に西欧のみに現地法人をもっていた親会社449社が,現地法人数をどのように変化させたかを示したものである。当然のことだが,この