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41 論 説生産物の商品化と労働の商品化頭   川     博  はしがき―問題の所在1 物質的財貨の商品への転化2 労働の商品化の根拠3 労働力商品の検証むすびはしがき―問題の所在 マルクスは,『資本論』....

41 論 説生産物の商品化と労働の商品化頭   川     博  はしがき―問題の所在1 物質的財貨の商品への転化2 労働の商品化の根拠3 労働力商品の検証むすびはしがき―問題の所在 マルクスは,『資本論』第Ⅰ巻第 6 篇第17章「労働力の価値または価格の労賃への転化」で,本質としての労働力の価値が正反対に労働の価格としてあらわれる1)必然的な根拠をといた。ところが,不思議なことに,先行研究にあっては,労働の販売を前提にして労賃形態を論じたと解され,マルクス批判が展開されるばあいがおおい。しかし,そのさい,第17章で労賃形態の「必然性(dieNotwendigkeit)」(Kapital, Ⅰ, S. 562)を規定した第一の根拠が封印されたままの状況にある。ここで,労働の販売が所与の前提とみえるのは,主として第一の根拠が未解決のためである。第一の根拠が施錠された状況は,換言すれば,マルクスのとく労賃形態の成立根拠が未解明だということに帰着する。第一の根拠にあっては,あらかじめ労働生産物の商品形態において,使用価値そのものが価値をもち価格形態をとる関係がとかれ,労働力の使用価値である労働が価値をもってあらわれる合理性の根拠づけが説明される。労働が価値をもつ根拠づけをといた第17章での本源的な説明に不分明さがあるならば,直線的に労高知論叢(社会科学)第95号 2009年 7 月