095号

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44 高知論叢 第95号使用価値が価値をもつというのは,前者が後者の素材的なにないてであるのとおなじである。「われわれが考察しようとする社会形態にあっては,使用価値は同時に素材的な担い手になっている―交換....

44 高知論叢 第95号使用価値が価値をもつというのは,前者が後者の素材的なにないてであるのとおなじである。「われわれが考察しようとする社会形態にあっては,使用価値は同時に素材的な担い手になっている―交換価値の。2)」(Kapit al, Ⅰ, S. 50) ようするに,生産物または物質的財貨が商品となるばあい,使用価値そのものが商品体として価値をもつ。商品から貨幣が内在的にうまれ,商品と貨幣とへの商品の二重化がなりたてば,商品は,使用価値として実在する一方,価値性格を観念的な貨幣によって価格としてあらわすことになる。「現実には使用価値として存在し,観念的に価格において交換価値として存在するところの商品は,貨幣に転化されなければならない。」(Mehrwert, MEGA,Ⅱ/3・3,S. 1129)商品と貨幣との関係にあっては,前者は使用価値をあらわし,後者は一般的等価物として価値そのものを代表する。「この対立では,使用価値としての諸商品が交換価値としての貨幣に相対する」(Kapital, Ⅰ, S. 119)「商品は実在的には使用価値であり,…その実在の価値姿態としての対立する金に,関係させられている」(Ibid.) 以上,本節で,商品の基本形態である物質的財貨を分析対象にとりあげ,商品としての生産物にあっては,使用価値が商品体をなし,価値をもつ事実をといた。1) 「商品という概念は,労働がその生産物に物体化され,物質化され,実現されているということを含んでいる。」(Mehrwert, MEGA, Ⅱ /3・2, S. 457) 「労働能力そのものとは区別されたすべての商品4 4 は,―人間に素材的に相対している物であって,人間にとっての特定の有用性をもち,一定量の労働がそれに固定され物質化されている物である。」(Ibid., S. 450, 圏点―マルクス) 「商品すなわちその生産に一定量の労働または労働時間を費やした物質的生産物」(Ibid., S. 458)。 『資本論』にあっては,商品は,まずもって物質的生産物が転化した特殊歴史的な存在形態である。2) 「直接的には使用価値は,一定の経済的関係である交換価値4 4 4 4 が自らを表わすさいの素材的土台である。」(Kritik, MEGA, Ⅱ /2, S. 108, 圏点―マルクス)