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生産物の商品化と労働の商品化49う文言にはんする。労賃の成立根拠にかんする先行研究の現状は,すりガラスごしにみた人影のように,輪郭があいまいである。1) 「労働力は,あとからはじめて代価を支払われるとは....

生産物の商品化と労働の商品化49う文言にはんする。労賃の成立根拠にかんする先行研究の現状は,すりガラスごしにみた人影のように,輪郭があいまいである。1) 「労働力は,あとからはじめて代価を支払われるとはいえ,すでに売られているのである。」(Ibid., S. 188)「生産過程が始まるときには,労働能力はすでに売られている。」(『直接的生産過程の諸結果』469e[原]ページ)2) 「労働力の所持者と貨幣所有者…との関係の持続は,労働力の所有者がつねにただ一定の時間をかぎってのみ労働力を売るということを必要とする。なぜならば,もし彼がそれをひとまとめにして売ってしまうならば,彼は自分自身を売ることになり, 彼は自由人から奴隷に, 商品所持者から商品になってしまうからである。」(Kapital, Ⅰ,S. 182)3) 「貨幣関係(商品所持者の商品所持者にたいする関係)」(『直接的生産過程の諸結果』473[原]ページ)・「貨幣関係4 4 4 4 つまり資本家と労働者のあいだの売買」(MEGA,Ⅱ /3・6,S. 2134,圏点―マルクス)。4) 「資本と労働とのあいだの交換」は,それがほかのすべての商品の売買とおなじ仕方で現われる4 4 4 4 という表現から,労働力の販売をさすものと思われる。それは,「資本と労働との敵対的な対立」(Mehrwert,MEGA, Ⅱ /3・4, S. 1503)とか「資本と労働とのあいだの関係の特徴である契約4 4 の形式」(MEGA, Ⅱ /3・6, S. 2025,圏点―マルクス)とかいう用法からも,「資本と労働」が資本家と労働者の簡略化であることがうらづけられる。「資本と労働とのあいだの交換」というのも,「資本と賃労働とのあいだの交換」(Mehrwert,MEGA, Ⅱ /3・2,S. 379)または「資本と賃労働との交換」(Ibid., S. 578)というのもおなじである。「労働と資本との4 4 4 4 4 4 4 あいだの第一の交換は一つの形式的な過程4 4 4 4 4 4 であり,資本はそのなかで貨幣4 4 として,また労働能力は商4品4 として,役割を演じる」(MEGA, Ⅱ /3・6,S. 2170,圏点―マルクス)という表現もある。5) 「当初は,資本と労働との交換を他のすべての商品の売買と区別するものは,なにもない。」(『フランス語版資本論』[下巻],法政大学出版局,江夏美千穂・上杉聡彦訳,233[原]ページ) ちなみに,労働の価格の説明に生産過程をからませる論法があるが,そこには,貨幣関係から本源的に労賃の成立を根拠づける第一の根拠の未消化がある。6) 「全『商品』世界は,二つの大きな部類に分けることができる。第一は,労働能力―第二は,労働能力そのものとは区別される諸商品である。」(Mehrwert,MEGA, Ⅱ/3・2,S. 453)7) 「労働能力の売買4 4 4 4 4 4 4 は,資本家と労働者とをただ商品の買い手と売り手としてわれわれに示しているだけである。労働者を他の商品の売り手から区別するものは,ただ,彼の売る商品の独自な性質4 4 4 4 4 ,その独自な使用価値4 4 4 4 4 4 4 だけである。」(『直接的生産過程の諸結果』469d[原]ページ,圏点―マルクス)