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経営学分野における本社の定義及び関連諸事項に関する一考察57(何)に対して,どんな方法で,どの位の頻度や費用で,等々)担っているかが,当該スタッフ部署と他の諸部署・諸機関との間の立地関係など,当該スタッ....

経営学分野における本社の定義及び関連諸事項に関する一考察57(何)に対して,どんな方法で,どの位の頻度や費用で,等々)担っているかが,当該スタッフ部署と他の諸部署・諸機関との間の立地関係など,当該スタッフ部署の立地のあり方に少なからず影響を及ぼすとみられるからである。第二項 外国における1970年代末期の本社機能分類 残念ながら, 筆者が知る限り,1940年代半ばから1970年代半ばの外国における経営学分野の諸文献の中に,上述のHolden et al.(1941)によるものとは異なるタイプで, かつこれと比較し得る程度に重要とみなすことのできる本社機能分類の事例はない。そのため時代はかなり下るが,1970年代末に現れた,本社の諸機能とその分類に関連する諸事項を取り扱った重要な文献として,Mintzberg(1979)10を挙げることにする11。 彼の本来の関心は,組織(organization)の戦略形成の仕組みを明らかにすることであった。しかし彼は,そのためにはまず,組織がそれ自身を組み立てていく仕組みを知る必要があると考え,同文献を執筆したのである12。そしてその議論の中で彼は,組織が ①ストラテジック・エイペックス,②ミドル・ライン,③オペレーティング・コア,④テクノストラクチャー,⑤サポート・スタッフ13という 5 種類の部分組織で構成されているとした1(4 第14表参照)。本章で紹介している他の論者たちによる本社機能分類等から推測される本社の組織的範囲と比較すると,テクノストラクチャー及びサポート・スタッフに,ストラテジック・エイペックスの全体とミドル・ラインの上層部分(生産担当副社長など)を加え,それらから本社に含めるべきでない部分(例えば本社,工場,営業所といった事業所ごとに設置されているカフェテリアなど,分散的にサービスを供給する諸部署)を除いたものが, 他の論者たちの多くが本社(本社部門)とみなしているものにほぼ該当するとみられる15。 なお,Mintzberg(1979)による分類は,当時の諸企業の経営組織の実態を示すためのものであって,理想状態を示すものではない。そのため,いくつかのスタッフ諸部署がテクノストラクチャーとしての諸業務とサポート・スタッフとしての諸業務の両方を担当している場合がある16など,必ずしも明瞭な分類になっていないということにも注意すべきである17。