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経営学分野における本社の定義及び関連諸事項に関する一考察59画,③基本方針の決定,④財務,⑤会計システム,⑥基礎研究,⑦買収・合併,⑧所定限度を超える資本支出の承認,⑨一定のレベルより上位の幹部の給与・....

経営学分野における本社の定義及び関連諸事項に関する一考察59画,③基本方針の決定,④財務,⑤会計システム,⑥基礎研究,⑦買収・合併,⑧所定限度を超える資本支出の承認,⑨一定のレベルより上位の幹部の給与・ボーナスの設定,⑩組織内の特定の諸ポストに関する人事,について,調査対象となった米国の事業部制大企業のトップ・マネジャーたちから,事業部制採用の際に本社に集中化した諸機能・諸活動として満場一致の回答があったことを挙げている。そしてその上でMintzberg 自身は,本社の主要な諸機能として 6 つのもの,すなわち,①戦略的ポートフォリオの管理(諸事業部門の設立,買収,売却,廃止による諸製品及び諸市場の組み合わせの変更),②全般的な資金配分,③業績管理システムの設計,④諸事業部門のマネジャーたちの人事,⑤各事業部門の挙動に関する(本社のマネジャーたちが定期的に諸事業部門を訪問すること等による)直接的モニタリング,そして⑥諸事業部門に共通する特定の支援サービスの供給,を挙げ,それらの各々について若干の説明を加えている20。そしてこの論点に関してStieglitz(1971b)21が,The NationalIndustrial Conference Board が1960年代初めに行った82の諸企業の本社に所属する諸スタッフ部署に関する調査22において,顕著にその存在が認められたのは財務(100%),法務・秘書(100%),人事(95%),研究開発(80%),広報(70%)であったと指摘していることを挙げ,自説の妥当性を補強している23。 Mintzberg(1979)の議論は, 本社が担う諸機能の全てについてではなく,一部(主要な諸機能)のみについての議論(であり,しかも事業部制諸企業のみに関する議論)である点に注意しなければならないが,本社スタッフをテクノストラクチャーとサポート・スタッフの 2 種類に分類したり,ミドル・ラインという組織区分を設けるなど,本稿で求めるべき本社機能分類及び本社の定義を検討するに当たって,参考となり得る諸点が存在する。第三項 複数事業企業の本社等が担う価値創造機能に着目した研究(1)ペアレンティング理論の概要 近年では,複数事業企業(multi-business corporation,多角経営企業,複合企業)における,本社の存在意義,本社のあり方(規模,構造,機能,運営方法等)を決定する諸要因とそのメカニズム,或いは本社のあるべき姿などを明らかに