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64 高知論叢 第95号注の可能性はどうか),という分類基準が用いられていることである。そして,この後者の分類基準は,前項で紹介した樋口(1995)の本社機能分類における,基本的な分類基準と同じである点に注意....

64 高知論叢 第95号注の可能性はどうか),という分類基準が用いられていることである。そして,この後者の分類基準は,前項で紹介した樋口(1995)の本社機能分類における,基本的な分類基準と同じである点に注意すべきである。 さらに,2000年代半ばには,日本においてもペアレンティング理論に基づいて本社の諸機能とそのあり方について議論するものが出てきた。 例えば,小沼・河野(2005)44は,わが国諸企業における1990年代半ば以来の「小さな本社」ブーム等における無定見な本社規模縮小が本社の機能低下を惹起したとしたうえで,今後の本社強化のポイントとして,「グループ戦略策定機能」 第16表 Young, Goold et al(. 2000)における本社機能分類及び関連諸事項の要約名    称内   容(例) 諸   特   徴最小限のコーポレート・ペアレント機能(minimum corporateparent role)資本調達,組織構造の確立,事業活動に対する基本的コントロール,投資家に対する義務の履行,法律遵守による会計情報の公開及び納税申告書の提出法人としての存在を可能にする機能。諸事業部門に対して容易には委譲されない,本社として不可欠な機能であり,諸企業間での差異が最も小さい。影響力行使・方針策定機能(influencing andpolicy-making role)業績目標の設定・進捗管理,グループ全体の諸方針・諸標準の企画・管理,特定分野の諸問題に関する専門的アドバイスや支援の提供諸事業活動に影響を与える意思決定に関わる機能。この機能の範囲や性質は,この機能の諸事業部門への貢献の仕方に関する経営陣の考え方,すなわち経営戦略を反映して,諸企業間で大きく異なる。サービス供給機能(service provision role)情報システム,購買,給与支払,訓練諸事業部門が必要とする諸サービスのうち,規模の経済性,範囲の経済性,専門化の経済性の面から,本社で集中的に処理・供給すべきであると経営陣が考えるもの。諸事業部門への委譲や第三者への外注化が可能。供給される諸サービスの内容等は,諸企業間で大きく異なる。資料:Young, Goold et al.(2000)pp. 10-12等における諸議論・諸図表の内容を整理・要約した。