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経営学分野における本社の定義及び関連諸事項に関する一考察65及び「事業価値創造機能」45の強化の必要性を主張した(第18表参照)。 また,加護野・上野・吉村(2006)46は,Goold らの本社機能分類を,経営学分野....

経営学分野における本社の定義及び関連諸事項に関する一考察65及び「事業価値創造機能」45の強化の必要性を主張した(第18表参照)。 また,加護野・上野・吉村(2006)46は,Goold らの本社機能分類を,経営学分野で広く用いられている用語を用いてわかりやすく読み替えた(第19表参照)。そして,わが国諸企業における1990年代半ば以来の「小さな本社」ブームの際に「戦略調整機能」(及び「資源配分機能」)の担当人員を削減(管理・企画スタッフ部門を縮小)した諸企業の低業績が顕著であったことや,必要以上に「ガバナンス機能」の担当人員を抱えることが業績の悪化につながっていることを実第17表 Goold, Petifer and Young(2001)及びGoold and Campbell(2002a)における本社機能分類及び関連諸事項の要約名    称内   容(例) 諸特徴及び備考最小限のコーポレート・ペアレント機能(minimum corporateparent role)企業の法律上・規制上の諸義務及び基本的なガバナンス諸機能の履行,組織構造の確立,上級幹部の任命,資本調達,IR,諸事業部門における重要な意志決定や任務遂行に関する基本的コントロールなど法人としての存在を管理・維持するために必要な,最低限の諸業務や義務付けられている諸業務を遂行する機能であり,全ての企業にとって不可欠。価値創造能力は限定されている。法律上及び規制上の諸義務は年次報告書の作成・公表,納税申告書の提出,安全・環境に関する法規の遵守など。価値創造的ペアレンティング機能(valueaddedparenting role)戦略的指導,野心的な諸目標の設定,経営資源の有効活用,相乗作用の促進諸事業部門に対して価値を付加すると経営陣が考えているもの。企業ごとに内容は異なる。諸事業部門への委譲や外注化は容易でない。シェアード・サービス機能(shared services)情報システム,給与支払,教育研修,事務処理諸事業部門に対して価値を付加すると経営陣が考えているもの。諸事業部門によって必要とされている。諸事業部門への委譲や外注化が可能。集中処理によって規模の経済,範囲の経済,専門化の経済を産み出すと考えられている。資料:Goold, Petifer, Young(2001)及びGoold and Campbell(2002a)の内容を,Young,Goold et al.(2000)を参考にしつつ,整理・要約した。