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66 高知論叢 第95号証的に示し,戦略調整機能(及び資源配分機能)の維持・強化の必要性と,ガバナンス機能に関する外部視点導入の必要性を主張した47。(3)ペアレンティング理論の注意点 以上みてきたように,ペ....

66 高知論叢 第95号証的に示し,戦略調整機能(及び資源配分機能)の維持・強化の必要性と,ガバナンス機能に関する外部視点導入の必要性を主張した47。(3)ペアレンティング理論の注意点 以上みてきたように,ペアレンティング理論に関する研究の諸成果には,特に本社の諸機能とその分類に関して,参考になり得る諸点が少なくない。ただしその一方で,注意すべき諸点もいくつか存在する。それらのうち,本稿の趣旨との関連から,特に重要とみられるものを挙げると,以下の通りである。 第一に,ペアレンティング理論に関する研究の諸成果の適用可能範囲は,基第18表 小沼・河野(2005)におけるコーポレートハブ機能分類機能(細分類) 内容・特徴コーポレートハブガバナンス機能企業価値を最大化させることを前提として,事業や機能の組織ユニットや役職員個々の活動を規律づける,コンプライアンス(法令遵守)機能やリスクマネジメント機能。グループ戦略策定機能グループ全体の舵取り機能。経営理念やビジョンを末端の組織ユニットや個々の役職員まで浸透させることによって,全社のベクトルをあわせるための機能であり,分権型組織では全社の目標を達成するために不可欠。事業価値創造機能分権型組織におけるメリットを維持しながらも, 企業価値の最大化を図るために個別BU(Business Unit)最適とグループ全体最適のバランスを追求する機能。より具体的には,事業が競争優位を確保するために必要な要件(Key Factors for Success,KFS)を理解し,KFS を充足するためにBU への経営資源の最適配分を意志決定したり,経営資源を効率的・効果的に確保・提供したりするための経営プラットフォームを構築・改革する機能。資料:小沼・河野(2005)の内容の一部を整理・要約した。注: 本表にはコーポレートハブに関する機能分類のみ掲載したが, 小沼・河野(2005)では前項で紹介した増田(2003),森沢(2005)と同様に,基本的に本社はコーポレートハブと経営プラットフォームの二部署から成ると想定されている。