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経営学分野における本社の定義及び関連諸事項に関する一考察711 Holden, P. E., Fish, L. S. and Hubert, L. S., Top Management Organization andControl : a research study of the management policies and prac....

経営学分野における本社の定義及び関連諸事項に関する一考察711 Holden, P. E., Fish, L. S. and Hubert, L. S., Top Management Organization andControl : a research study of the management policies and practices of thirty-oneleading industrial corporations, Stanford University Press, 1941.2 同書において, 最高経営層(Top Management)とは, 次の 3 種類の経営責任者(Executives)の集団をいう。即ち,(A)取締役会(Board of Directors),(B)総括経営層(General Management : 事業全般を担当する経営責任者たちで構成),(C)部門経営層(Divisional Management : 主要部門または子会社を直接担当する経営責任者たちで構成)であるので,注意が必要である(Ibid., p. 3)。3 ホールデン他(岸上英吉訳)『トップ・マネージメント』ダイヤモンド社,1951年では,「実施業務組織」と訳している。4 第13表からわかるように,Holden et al.(1941)における統制機能は,企画機能や評価機能等を包含した概念である。5 Holden et al., op. cit., 1941, pp. 38-39.6 Stieglitz, H.“ Staff-staff relationships”, in Frank, H. E.(ed.): Organization structuring,McGraw Hill, London, 1971a, pp. 197-215.7 『広辞苑』によれば,「機能」とは「物のはたらき。相互に連関し合って全体を構成している各因子が有する固有な役割」であることから,“role”(役割)を「機能」と訳しても問題はないと判断した。8 Holden et al.(1941)及びStieglitz(1971a)では共に,スタッフによる統制機能の遂行が,必然的にトップ・マネジメントが担当する企画機能の支援(・代行)を伴うと考えている(Holden et al., op. cit., 1941, pp. 17-39 ; Stieglitz, op. cit., 1971a, p. 205.)。よって,これら両文献においては,統制機能が企画機能を内包しているとみることができる。なお,Stieglitz(1971a)はまた, 統制機能が調整機能や評価機能をも内包するとみなしている(Ibid., pp. 201-203.)。9 島本洋一(2002)「本社改革・間接部門改革への実践のポイント」『UFJ Institute REPORT』Vol. 7, No. 3,pp. 37-44。なお,Holden et al.(1941)における統制機能,調整機能,助言機能,サービス機能と,島本(2002)における企画機能,相談的機能,処理的機能,専門的機能とを比較すると,統制機能と調整機能が企画機能に,助言機能が相談的機能に,そしてサービス機能が処理的機能及び専門的機能に,概ね相当するとみることが可能である。ただし,これら諸機能の間の線引きは必ずしも明瞭ではない点に注意すべきである。例えば処理的機能の一つとして,日々の社内各部署の資金の動きを監視・調整する資金管理機能が挙げられるが,これは社内各部署の効率的運営を助けるサービス機能の側面を持つ一方で,そうした日々の資金管理活動を通じて蓄積した情報等をもとに全社レベルの資金計画策定作業に関わるという意味で企画機能の側面も持っている。10 Mintzberg, H., The Structuring of Organizations? A Synthesis of the Research,Prentice-Hall, 1979.11 Mintzberg(1979)は,「諸組織がそれ自身をどのように構築するかを理解するために,