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84 高知論叢 第95号ホームヘルパー 1 ~ 3 級で構成されており,その総数は2007年10月時点で80万8315人となっている3。以下では,介護労働の中核的な担い手である「介護職員」について,その資格と専門性について検....

84 高知論叢 第95号ホームヘルパー 1 ~ 3 級で構成されており,その総数は2007年10月時点で80万8315人となっている3。以下では,介護労働の中核的な担い手である「介護職員」について,その資格と専門性について検討する。(1)ホームヘルパー(訪問介護員) 1956年,現在のホームヘルパーの前身となる「家庭養護婦」の派遣事業が日本で初めて実施されたのは長野県上田市などの自治体であった。その後,1958年に大阪市において臨時家政婦派遣事業が試行的に実施され,翌年「老人家庭奉仕員」と名称を変えた。この老人家庭奉仕員派遣事業が高齢者の身体機能の維持や健康回復に成果をもたらしたことから,1962年度から,国庫補助事業として制度化され,国による派遣事業が始まった。翌年の老人福祉法制定に伴い関係規定が設けられ,改めて「老人家庭奉仕員派遣事業」として制度化され,「老人家庭奉仕員」(1990年の老人福祉法改定により「ホームヘルパー」へ,さらに2000年の介護保険法施行に伴い「訪問介護員」と名称変更された)が訪問介護の担い手として法定化された。 ホームヘルパー(訪問介護員)の養成については,1987年度から介護技術を中心としたホームヘルパー講習会推進事業が実施され,1991年度に業務内容に対応したホームヘルパーの養成を図ることを目的に,1 級から 3 級までの段階的研修制度が導入された。1 級課程は,主任ヘルパー業務に携わるための知識・技術を習得することを目的に,2 級課程修了者を対象にするもので,講義・実技講習が146時間,実習が84時間の計230時間で構成される。主任ヘルパーについては,1980年代に導入された「主任家庭奉仕員制度」から発展したものであり,ホームヘルプ業務の基幹的な部分を担う職種である4。2 級課程はホームヘルプ従事者の基本的な研修と位置づけられるもので,講義・実技講習100時間,実習30時間の計130時間で構成される。3 級課程は 2 級課程に進むための入門的な研修過程であり,講義・実技講習42時間,実習 8 時間の計50時間で構成され3 厚生労働省「平成19年度介護サービス施設・事業所調査結果の概況」,p. 3。4 波川京子〔2000〕「地域看護からみた介護職種」国民医療研究所『21世紀の医療・介護労働』本の泉社,p. 166。