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介護労働の変容と財政課題97づく単価が設定された。まず,ホームヘルパーの訪問形態によって「巡回型」と「滞在型」とに区分され,それぞれについて「単位」という形で基準が設けられた。従来の訪問介護(「滞在型」....

介護労働の変容と財政課題97づく単価が設定された。まず,ホームヘルパーの訪問形態によって「巡回型」と「滞在型」とに区分され,それぞれについて「単位」という形で基準が設けられた。従来の訪問介護(「滞在型」)は訪問家庭に一定時間とどまって入浴介助や食事介助などを行ってきたが,「巡回型」では,排泄介助や体位変換,服薬介助や水分補給などの定時的に必要な介助を短時間で行うものである。「滞在型」については,さらに「身体介護中心業務」と「家事援助中心業務」に区分し,1 時間を 1 単位として単価を設定した。「巡回型」については,訪問する時間帯によって「昼間帯」,「早朝・夜間帯」,「深夜帯」に区分し,30分を 1 単位として単価が設定された。事業費補助方式の補助単価については,表 5 の通りである。 事業費補助方式における最も大きな特徴は, 補助金単価の低さにある。石田〔2000〕は,事業費補助方式における単価設定に際し,パートタイマーの労働報酬規定を全体の基準としたと指摘している26。当時公表された地方自治経営学会による「『高齢者福祉における公立と民間のコスト比較―437県市と民間203社からの回答―調査結果について』という報告書の中で,訪問介護について,①市町村(直営)と社会福祉協議会(委託)の常勤ヘルパーのコストは1時間単価5040円であるのに対し,シルバービジネスでは2486円と約 2 分の 1 となっている,②ホームヘルパーの有資格者は有資格を条件とするシルバービジネスに一番多く,市町村ヘルパーの半数は資格を有しないと指摘し,コスト面でも質的26 石田一紀〔2000〕「介護保険とホームヘルパーの実践的課題」石田一紀他『介護保険とホームヘルパー』萌文社,pp. 15-18。注1) 滞在型については、表中の単価に延べ活動単位数を乗じたものが補助額となる。 2) 巡回型については、表中の単価に延べ派遣回数を乗じたものが補助額となる。 3) 「主任ヘルパー手当」については省略。出所) 厚生事務次官通知「在宅福祉事業費補助金の国庫補助について」別紙「在宅福祉事業費補助金交付要綱」(各年)より作成。 表5 事業補助方式による補助単価 (単位:円)年 度滞  在  型巡   回   型介護中心家事中心昼間帯早朝・夜間帯深夜帯1997 2,860 2,100 1,430 1,790 2,8601998 2,890 1,790 1,450 1,810 2,8901999 3,610 2,230 1,450 1,810 2,890