096号

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保安処分に関する一考察99しょう。たとえば仮案のごとき限定というようなものも考えられましょうけれども,そういう形で将来の危険性を予防するということを考えているものと思います。」41「G 委員 ……ただ,いま....

保安処分に関する一考察99しょう。たとえば仮案のごとき限定というようなものも考えられましょうけれども,そういう形で将来の危険性を予防するということを考えているものと思います。」41「G 委員 ……ただ,いまの問題になりました一の保安処分と刑罰を結びつけるかどうかという,この問題だけは,保安処分の中身が多少具体性を帯びませんとちょっと部会で話ししにくいのではないかと思います。と申しますのは,予防拘禁みたいな保安処分なのか,あるいはむしろ精神病質者の扱いに準したような保安処分なのか,それでだいぶ話がかわってまいります。一なら反対だけれども,あとの場合なら賛成だということにもなろうかと思いますので,多少その内容を具体化してからお願いしたい。」42 H 部会長は,「これで決をとるようなこともいまいたしたくない」43として,翌日時間があれば,この点について意見を伺うとして,この日の会議を閉じている。(6)法制審議会刑事法特別部会第5 回会議(第2 日)(昭和40年10月14日) この日に予定されていた議事が一通り済んだ後,前日に引き続いて,保安処分に関する問題が取り上げられた。前日C第 3 小委員会委員長から提起された 6 つの問題について,犯罪学・精神医学の研究者でもあるD委員から発言がなされた。「D 委員 ……ここで二の責任無能力者と,それから限定責任能力者というものに対しまして保安処分ができるということは,これは大体お決まりのようでございますから,この法律が施行されるようになりますと,戦後すでに精神鑑定はだいぶ多くなってきておりますが,おそらくもっと多くなり,そうして同時にいままでと違いまして保安処分がございますので,安心して,いままでちゅうちょされておったようないろいろな事例に対しても,精神病質者というようなものが限定責任能力の問題になってまいりまして,そしていままでのように厳格に精神病質者は完全責任能力というふうにはならなくなってくるのではないかと思うのでございます。そう41 法制審議会刑事法特別部会第五回(第一日)会議議事速記録114頁以下。42 法制審議会刑事法特別部会第五回(第一日)会議議事速記録128頁。43 法制審議会刑事法特別部会第五回(第一日)会議議事速記録128頁。