096号

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保安処分に関する一考察101れた人間はごく少数の人間でございまして,そういう特別な人は非常にみんなから特別な人間に扱われるというようなことになり,本人も自分は精神病質者だというので,非常にその本人にとり....

保安処分に関する一考察101れた人間はごく少数の人間でございまして,そういう特別な人は非常にみんなから特別な人間に扱われるというようなことになり,本人も自分は精神病質者だというので,非常にその本人にとりましても影響が大きいと思いますので,やはり精神病質という名前は法文にはぜひお出し願わずに,もっとほかの名前でとらえていただきたいと思うのでございます。」48(7)法制審議会刑事法特別部会第7 回会議(第2 日)(昭和41年 7 月5 日) 第 5 回会議において,第 2・第 3 合同小委員会の開催が提案されていたが,この間,3 回の合同小委員会も開催されている。小委員長により,合同委員会等の議論経過が報告された。「C 第三小委員長 ……目下第三小委員会で審議中の保安処分の関係につきましては,第二,第三両小委員会の合同小委員会において論議されたところをもとにしてやっておりますので,その合同小委員会の議論のごく簡単なことを申し上げますと,結局,犯罪性精神病質をどのようにするかということにつきましては,治療処分の範囲を拡大して, 精神病質にも適用しやすくするというのがいいだろうというのが,合同小委員会における圧倒的多数の支持でありました。そのためには,準備草案の一五条に,責任能力に関する規定ですが,限定能力を『著しく』減弱,こう書いてあるのですが,その『著しく』減弱でない場合,もう少し,精神障害はあるけれども,限定能力とはいえない程度のものにも適用できるようにしたいということが,合同小委員会で出た多数の意見でありましたので,これは表現上たいへん困難なので『十分でない』とか,あるいは単に『能力が低い』とかいう表現も,案としては考えられておりますが,いずれにいたしましても,一五条の限定能力の規定よりも,(規定が必ずしも適用にならなくとも,)もう少し広く保安処分ができるようにしたほうがいいのではないかというのが,合同小委員会の御意向のようであります。 ……また,仮退所者の治療観察,いわゆるアフター・ケア,これをするようにしよう,しかし『精神病質者』のレッテルを張るようなことはしないほうがいい,法律上は48 法制審議会刑事法特別部会第五回(第二日)会議議事速記録97頁以下。