096号

096号 page 112/170

電子ブックを開く

このページは 096号 の電子ブックに掲載されている112ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
110 高知論叢 第96号「H 部会長 初めから部会長が発言するのははなはだよくないと思うのですけれども,ある事実を申し上げます。最近ある民間団体,特に私はこの場合その団体を申し上げないほうがいいかと思います....

110 高知論叢 第96号「H 部会長 初めから部会長が発言するのははなはだよくないと思うのですけれども,ある事実を申し上げます。最近ある民間団体,特に私はこの場合その団体を申し上げないほうがいいかと思いますが, この刑事法特別部会長のH 殿という書簡で申し入れがあった事実だけを申し上げたいと思うのです。それは能力がある者に対しても保安処分を言い渡すことができるとするようなことはけしからぬということで,それで自然,思想的な弾圧のために保安処分を刑のほかに言い渡して長期の拘禁をするためであろうと,この原案は決してそういう意味ではなかったのですけれども,そういう勘ぐりかもしれませんが,そういう抗議の書簡を受け取りました。そういう事実だけを御報告申し上げて,やはりこの第一五条の責任能力のない場合,あるいは責任能力の低減されている場合に限るべきだという意見にも相当,ともかくそういう意見のあること並びに私の意見になりますけれども,考慮すべきではないかと,こういうことだけを申し上げておきます。」68 その後,刑事法特別部会長から,今後の議事の進め方について提案がなされている。「H 部会長 ……議事の進め方について,C 委員長から御提案がございます。……申すまでもなく,これは要綱案でありまして,これを今日いずれか一つにきめるという意図はございませんのですけれども,…主要な幾つかの点について,試みに多数意見を聴取したいというのであります。これはもちろん最終的な決定ではございませんし,全体としてのイ案,ロ案についての判断を伺うわけでもございません。個々の主要な点について,試みにどういうお考えが多いのか,いわば世論調査の意味で御意見を挙手によって伺いたいというのが委員長の御希望でございます。」69 個々の主要な論点について,世論調査的意味での意見聴取を行なうことについては,若干議論にもなっているが,あくまで世論調査的な意味のものであり,イ案,ロ案のどちらかを決めるものではないことが繰り返し確認され,また,68 法制審議会刑事法特別部会第十五回(第二日)会議議事速記録20頁以下。69 法制審議会刑事法特別部会第十五回(第二日)会議議事速記録79頁。