096号

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保安処分に関する一考察113るわけであります。しかし,逆に『保安上必要』があれば,どんどん処分の対象にできると,B 案のほうでは『治療及び看護の処置を必要』すると言っているのに,A案のほうではそのことを言っ....

保安処分に関する一考察113るわけであります。しかし,逆に『保安上必要』があれば,どんどん処分の対象にできると,B 案のほうでは『治療及び看護の処置を必要』すると言っているのに,A案のほうではそのことを言っておりませんから,治療,看護の必要がなくても,保安上必要があれば処分の対象にすることができるという面では広く読める,逆にB案のほうは,治療,看護の必要があれば,『保安上の必要』という点はやや弱くても処分の対象にできるのではないかというようなことも言われております。しかし,B 案には『その防止のため』ということばがありますので,かなりデリケートでありますが,しかし,結局『治療及び看護の処置が必要』であれば,処分の対象にできるというのがB 案であり,A 案のほうは『保安上必要』があれば,というところが表面に出ている,こういうことになります。」74「C 第三小委員長 次に第一一二条,これも変化ございませんがただ,B 案との対象上もう一度御記憶を喚起しておきたいと思うことは, 第一一二条第二項のただし書きであります。B 案のほうにはこのただし書きに相当するものがございません。第一一二条B 案のほうを御対照いただきたいのですが,B 案は,第一一二条,ややうしろのほうに出ておりますけれども,『収容の期間』ということで,第一一二条は,B 案のほうにはそのただし書きに相当する部分がございません。一言で申しますと,全体の御理解を願うために,A 案をまず先に話題にして申し上げますと,結局,治療処分につきましては,A 案では『三年』というのがまず収容の期間でありまして,ついで『二年ごとに』二回更新ができる,第二項で『二回』と書いてある,したがって,二回更新いたしますと,七年ということになります。ここまではB 案もA 案も同一であります。ただし書きがA 案のほうにだけございまして,ただし書きにあるような特別の,いわゆる強悪犯の『行為をするおそれのあることが顕著な者』については,例外的に,さらに更新が三回,四回,五回と,これは回数に制限がございませんから,繰り返すことができるということになります。ここにも保安面がやや強く出ている。B 案のほうでは,ただし書きがございませんから,保安処分としては,B 案のことばで言えば,『療護処分』としては七年をもって,いわゆる頭打ちになる,まったく終わりを告げる。しかし,さらばといって野放しにするということではない,B 案74 法制審議会刑事法特別部会第十九回(第二日)会議議事速記録75頁以下。