096号

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116 高知論叢 第96号中には軽い犯罪というようなものも含まれてくるように思うのですが,……」78「C 第三小委員長 ……第一のB 案のほうが,対象者が広くなるのではないかと,こういう御意見ですが,……先ほど説....

116 高知論叢 第96号中には軽い犯罪というようなものも含まれてくるように思うのですが,……」78「C 第三小委員長 ……第一のB 案のほうが,対象者が広くなるのではないかと,こういう御意見ですが,……先ほど説明のときにも申し上げましたように,A 案のほうが広くなるか,B 案のほうが広くなるかは,人によって解釈及び見込みに差があるようでございます。……ことにA 案のほうでは,A 案の主張者の一人―小委員会における主張者のお一人で,『保安処分というようなものは,できるだけ,初めてのものだからつつましやかに狭く,いわゆる謙抑主義と法律家が言う,そういう方法で謙虚にやっていきたい』と。だから『保安の必要』というものを厳重に考えると,保安の必要があるものというのは非常に少なくなるのではないか,こういうような見方をしておいでの方もあります。」79「L 委員 ……B 案のほうを支持しております者としまして,若干つけ加えて申し上げさせていただきたいと思いますが,このB 案の場合の精神病院送りという場合も,これは精神病質者を精神病院に送るというつもりは,もちろんこれは全然ございません。送る場合も精神病者の場合だけですが,その場合でも,処遇上―病院での処遇にその行動の態様からいって危険があって,病院の処遇が困難なような者,それを精神病院送りにしようというつもりはございません。……原則といたしまして,いやしくも保安処分ということで問題になるような場合は,精神病者の場合でも,私の考えでは原則として法務省系統の施設送りということだと思うのですが……まあ,そうはいたしましても,いわゆる病質的にもうしまして犯罪者ですから,精神病院にとっては,そういう対象者であってもあまり歓迎されないお客であることは,これは重々承知しておりますけれども,これは現実に国の施策としまして,社会の中にうまれたこういう精神障害者をどうして処遇したらいいかということで,ある場合には病院のほうの処遇が適当だということであれば,それは若干招かれざるお客ではありましても,厚生省系統のほうの御努力をいただいて……。」80「B 委員 ……A 案のほうにおきましても,精神病院における治療ということは十分考えております。むしろできるだけ精神衛生法による措置をやっていただきたい。78 法制審議会刑事法特別部会第十九回(第二日)会議議事速記録92頁。79 法制審議会刑事法特別部会第十九回(第二日)会議議事速記録94頁。80 法制審議会刑事法特別部会第十九回(第二日)会議議事速記録107頁以下。