096号

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保安処分に関する一考察121うような場合,すなわち現在の判断では,治療,看護の効果が必ずしも十分期待できないというような場合について,治療処分の言渡しができなくなるというおそれもありますので,そこらあた....

保安処分に関する一考察121うような場合,すなわち現在の判断では,治療,看護の効果が必ずしも十分期待できないというような場合について,治療処分の言渡しができなくなるというおそれもありますので,そこらあたりを考えたのではないかというふうに思いますが。」92「G 委員 ……私もおそらくそうであろうとは思いましたが,治療及び看護しても,なお防止できないという場合はないのではないか。看護というのは割合広いので,つまり,もうこれはなおらないのだ,だからほうり込んでおくのだというものがやっぱりあるわけですし,いまの御説明の中にもそれが出てきたと思いますが,保安処分というものに反対をしておる人たちは,そういうことに非常に重点を置いておりまして,あたかも何か危険な精神病者をそのままほうり込んでしまって,そして社会の治安を守ろうとしておるのだ,そういう誤解に基づく反対はかなり強いのではないかと思います。 国が行なう保安処分というのは,保安の必要上というけれども,全くそれを病人として治療し,看護してやるのだということを,やっぱり出したほうがいいのではないか。治療も看護もきき目がないから,それだったらもうほったらかしにして入れとく,そういうふうに誤解されませんために,ちょっとうたっていただいたほうがいいのではないかと……。」93「K委員 ……それからG委員のおっしゃったことに,私も賛成でございます。うっかりしておりましたので。やはり「精神の障害」といいますと,これだけだと広い意味に解釈いたしますと,治療の対象に現在ならないようなーいわゆる精神病質者も入ってきてしまうおそれがあるわけですね。だから誤解される一つの要素になるかとも思いますので,その点,御二方の御意見に賛成でございます。」94「H 部会長 ……いまのG 委員の御提案は,『治療又は』でなくして,『治療及び看護を加えなければ』と,こういうように改めまして,さて何か御意見があれば伺いますが。―それではほかに何も違った御意見がないようでありますから,修正した形にて第一一〇条(治療処分),これに賛成の方に手をあげていただきます。どうぞ。」9592 法制審議会刑事法特別部会第二十六回会議議事速記録61頁以下。93 法制審議会刑事法特別部会第二十六回会議議事速記録62頁以下。94 法制審議会刑事法特別部会第二十六回会議議事速記録64頁。95 法制審議会刑事法特別部会第二十六回会議議事速記録65頁。