096号

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保安処分に関する一考察133いうものを果たせない実情にもあるというところから,やはり保安処分の創設ということは,今後の刑法改正における一つの眼目であるというように考える次第でございます。」108「K 委員 …....

保安処分に関する一考察133いうものを果たせない実情にもあるというところから,やはり保安処分の創設ということは,今後の刑法改正における一つの眼目であるというように考える次第でございます。」108「K 委員 ……保安処分の関係に関しまして,私,精神科医でございまして,学界の代表ではございませんけれども,学界としての保安処分に対する反対決議案がH部会長のところへ,それからC 委員のところへ届いておるということも聞いております。……十年来,精神医学の分野におきましても,少しずつ変わってきておりまして,たとえてみると,患者の家族会であるとか,精神医療の看護の問題が非常に大きな問題となってきたわけでございます。……結局,厚生省管轄の施設でも取り得ない,初めから反対しておった,……われわれのほうでは,とってもそんなものは信用できないというような,非行に関係した対象者もおるわけでございます。こういったような問題に関しまして,医療が主として行なわれれば,私は,法務省の施設でこういった患者の治療をやってもらえれば,これに越したことはないと思う例を知っておるわけでございます。……私自身はB 案を支持したわけでございますが,しかしこういった保安処分の問題は,いま言ったような,精神医療の面の変遷,特に患者の家族会などにおきまして,精神障害イコール犯罪というような関係にあると思われること自体に,患者家族会が非常に憤りを感じておるというのが現況でありますが,しかしこの立法は,少し早いと思うのですが,何年か先に,社会の人の理解が一般によくでき,患者家族を含む社会一般の認識がよくできれば,こういうような立法もあってしかるべきだと思うのでございます。……一般の社会の認識が,特に精神障害者に対する認識が―ただ単に,精神障害者は何かこわいとか,あるいはまた,精神障害者を犯罪者というような目で見ることのない社会,しかも精神障害はなおるというようなことがはっきりわかってくるときにおいて,こういった法の適用がもしできれば,そのときまで待つというようなことも考えるべきではないかと思うのでございます。」109「S 委員 ……私,第三小委員会に属しまして,保安処分の立案に参加してまいった者でございますが,現在,当惑しておりますのは,先ほど来,二,三の委員ある108 法制審議会刑事法特別部会第三十回会議議事速記録52頁以下。109 法制審議会刑事法特別部会第三十回会議議事速記録53頁以下。