096号

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144 高知論叢 第96号して,世界中では,ほとんど北半球に,約435カ所の原子力発電所があります。ですから,この前のような戦争を本格的に始めたら,そういう場所が絶対に爆撃されるでしょう。1 つの原発には,すべ....

144 高知論叢 第96号して,世界中では,ほとんど北半球に,約435カ所の原子力発電所があります。ですから,この前のような戦争を本格的に始めたら,そういう場所が絶対に爆撃されるでしょう。1 つの原発には,すべての核兵器に比べて何千倍・何万倍もの放射能が入っていますから,日本が本格的な戦争をすれば,この日本はもう住めない土地になってしまいます。ですから,これは非常に大きな課題です。どうやって我々の武器を,我々の暴力をコントロールできるか,という課題です。 もう 1 つは,どうやって我々の生き方を根本的に変えることができるか,という課題です。我々はエネルギーを使いすぎるし,汚染物質を出しすぎています。そして,我々の住んでいる環境を汚染して,住めなくなるような生き方を,今,しています。仮に,我々が兵器をコントロールできたとしても,今のままでいくと,この地球を住めない惑星にしてしまいます。本当にそうです。 この 2 つの大きな課題が,我々の目の前に現れています。課題の解決に 1 つでも失敗したら,この地球に人間が住めなくなるわけです。一国主義の終焉と岐路に立つ世界 今,人間は,非常に危うい,難しい分かれ道に立っています。いろんな問題が出てきていますが,そうした問題を平和的に解決しようとするか,暴力を使って解決しようとするか,その分かれ道に立っています。 どういう問題が出てきているかというと, 1 つは,アメリカという大国の時代が終わろうとしている問題です。アメリカは,第二次世界大戦前の時期から次第に強くなり,終戦後は主にアメリカ 1 国が世界をコントロールしてきました。戦後しばらくは,アメリカとソ連という 2 つの超大国が,お互いに競争するだけでなく,お互い牽制しあって他の国をコントロールしていました。これが戦後の秩序だったんです。その後,[1991年に]ソ連が崩壊して,一時期アメリカが「ボス」になろうとしました。しかし,その試みは失敗に終わりました。オバマ氏が選ばれたのは,その 1 つの証拠です。「もう,アメリカはボスになれないし,なろうとしません。」オバマ氏は,そういう心を持っている人です。 もう 1 つ,オバマ大統領の誕生が象徴的に表しているのは,欧米中心文明の