096号

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スティーブン・リーパーさん講演会147記録的な早さで伐採が進んでいます。熱帯雨林は,地球の肺です。我々は,自分の肺を壊そうとしています。このような現象が,温暖化とか酸素の比率の低下などの形で表れています....

スティーブン・リーパーさん講演会147記録的な早さで伐採が進んでいます。熱帯雨林は,地球の肺です。我々は,自分の肺を壊そうとしています。このような現象が,温暖化とか酸素の比率の低下などの形で表れています。 これは,非常に難しい問題です。この問題を,一体どのように解決していくべきなのでしょうか。国連で話し合って,交渉して,国際法を作って,条約を作ったりして,平和的に解決するのか。あるいは,必死になって暴力を用いながら,オイルをコントロールし,資源を自分のものにし,植民地を増やそうとするのか。今,その分かれ道に立っています。この分かれ道,つまり,平和の道か,暴力の道かを決めるのは,核兵器の問題をいかに解決するかにかかっています。 核兵器だけでなく,酸素も,海も,大事です。けれども,今,まさに直面している問題が,核兵器の問題なのです。今,核兵器の問題を解決しなければ,しかも平和的に解決しなければ,これまで僕が言ってきたすべての問題を平和的に解決することが不可能になります。来年 5 月のNPT(核不拡散条約)再検討会議では,人間が核兵器を廃絶するか,すべての人に持ってもらうのかを決めることになるのではないかと考えています。けれども,核兵器を持つ/持たないの問題にとどまらず,今度の会議は,我々が平和的に問題を解決するか,あるいは凄惨な殺し合いで問題を解決するかを決める会議になると,僕らは考えています。 「僕ら」と言いましたが,その中には,広島の人々はもちろん含まれています。秋葉忠利・広島市長はその代表的な 1 人です。彼は,1999年に市長になってから,そのように考えており,そのような危機感を持って動いています。だから,僕を広島平和文化センターの理事長に任命し,アメリカで101の原爆展を開催したわけです。また,世界のNGO や反核運動をしているNGO の人々も含まれます。ヨーロッパでは,だいぶ前から,核兵器廃絶に向けた動きを見せています。イタリアでも,ドイツでも,ノルウェーでも,ベルギーでも,自分の土地から核兵器を完全に撤廃しようとしています。核兵器は許せないし,受け入れられないと言い出しています。ヨーロッパは変わってきているんです。しかし,アメリカの普通の人々,そして日本の普通の人々は,この問題について全く意識