096号

096号 page 15/170

電子ブックを開く

このページは 096号 の電子ブックに掲載されている15ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
金融ユニバーサルデザイン(下) 13どの,投資信託の契約を巡るトラブルが後を断たないことが報道されており,この実効性の確保という課題は残っている。 不招請勧誘禁止原則および一度取引を断った人に勧誘しては....

金融ユニバーサルデザイン(下) 13どの,投資信託の契約を巡るトラブルが後を断たないことが報道されており,この実効性の確保という課題は残っている。 不招請勧誘禁止原則および一度取引を断った人に勧誘してはならないという再勧誘禁止原則も法律に盛り込まれた。しかし金融商品全般に対して原則禁止ではなく,政令指定の金融商品に限定するという不十分なものになった。21) 金融ビッグバンは無用なものもふくめて金融商品や金融サービスの選択肢を拡大したが,他方では金融機関の合併・統合・再編を促進して金融機関の数を少なくしてしまい,金融機関の選択肢を狭めた。その状況下で巨大金融機関(メガバンク)がその支配力を濫用してデリバティブ金融商品の抱き合わせ販売を中小企業に強要し行政処分を受けるなどの不祥事も生じた。金融ユニバーサルデザイン原則からすれば,利用できる金融機関の選択肢は広げなければならないのである。 ガイドラインについては,「金融における利用」と「金融利用者」に変更しただけだが,金融における柔軟性と適合性についてのガイドラインとなり得る。 ガイドラインの①は,柔軟性についての具体的指針である。②の右利きと左利きについては,さまざまな金融装置の操作などの金融ハードウェアに適用される原則となるが,右利き・左利きだけに限定されるものでいいのか,検討の余地もある。③と④は,適合性についてのわかりやすい指針であり,注意が行き届くようにすること,金融利用者のペースに合わせることは,金融利用においても基本理念として重要なことである。 しかし金融利用の実際に即したもっと具体的なガイドラインが必要になると思われるが,これについてはこれからの検討課題である。原則 3 : 金融は簡単にそして直観的に利用できること(Simple and IntuitiveUse in Finance)。「金融利用者の経験,知識,言語能力あるいはその時々の集中力のレベルにかかわりなく,金融の利用方法が容易に理解できるデザインであること。」(ガイドライン)①不必要な複雑さを避けること。