096号

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148 高知論叢 第96号をしていません。まるで眠っているかのように無関心です。それが,非常に大きな問題です。NPT(核不拡散条約)の成立と展開 では,来年 5 月に,どういうことができるかという問題に移ります。....

148 高知論叢 第96号をしていません。まるで眠っているかのように無関心です。それが,非常に大きな問題です。NPT(核不拡散条約)の成立と展開 では,来年 5 月に,どういうことができるかという問題に移ります。 幸いなことに,アメリカではオバマ氏が大統領になりました。もし,マケイン候補が大統領に選ばれたら,たぶん,僕はニュージーランドかどこか遠いところに移っていたでしょう。けれども,オバマ氏が大統領に選ばれたから,望みが出てきました。なぜかというと,彼は,心から平和を理解できる人です。はっきりとは言っていませんが,彼が政治家になる前に書いた本を読んで,平和を大事にする人だと僕は信じています。 しかし,アメリカはやはり軍事を中心とする国家です。世界にある外国の軍事基地の90%は,アメリカの軍事基地です。アメリカは,144の外国で,770以上もの軍事基地を持っています。しかも,アメリカが世界に誇れるものは,武器だけです。1990年には,アメリカの「ものづくり」に関する全資産(工場,機械等)の80%が,ペンタゴンと直接関係がありました。現在,その比率はさらに高くなっています。 このように,アメリカは軍事を中心とした国家ですから,いくらオバマ氏のような平和を願う優れた大統領が就任したとしても,彼の力は限られています。わずかしかアメリカという国を動かせないと思うんです。だから,先ほど言った分かれ道(核兵器を廃絶するか,すべての国が核を保有するか)に立つ今の時期に,オバマ氏とともに進むべきです。 どの国が一番責任を持っているか。一番鍵を握っているのは,実は日本です。核保有国は,どうしようもないんです。核保有国は,ある程度は核兵器廃絶について話をしていますし,またこの間のオバマ氏のプラハでの演説を読むと,「アメリカもやはり核兵器のない世界へ向かう方がいいと思っているのでは」と言う人がいるかもしれません。確かに,みんな核兵器のない世界の方がいいと思っています。ですが,特にアメリカの中には,軍需産業で働いている人た