096号

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154 高知論叢 第96号原則も持っているし,毎年国連総会で核兵器廃絶決議案を出している国だからです。世界的に見れば,もうすでに核兵器廃絶のリーダーです。問題は,日本が本格的に世界をリードしてこなかったこと....

154 高知論叢 第96号原則も持っているし,毎年国連総会で核兵器廃絶決議案を出している国だからです。世界的に見れば,もうすでに核兵器廃絶のリーダーです。問題は,日本が本格的に世界をリードしてこなかったことにあります。また,核兵器廃絶の一番大事な時に,日本政府は国連で棄権しています。だから,日本が本格的に核兵器廃絶をリードしてきたとは,とてもいえません。でも,今から本格的にリードしないと,人類を救うことはできません。 なぜ,日本でないといけないかというと,日本はアメリカの親友だからです。例えば,自分の親友が飲酒運転しようとすれば,あなたは「No」と言うでしょう。何かとても危ないことをしようとすれば,親友だったらそうした行為をとめようとするでしょう。だから,アメリカを敵にまわすとか,そういう話では全然ありません。日本とアメリカとの友好関係が,世界にとっても宝物です。そうした関係を壊すわけにはいかないのです。とにかく今,日本が立ち上がり,アメリカに対して,まず「戦争をやめなさい」,そして「今から核を廃絶しなさい」と,強いメッセージを発しなければいけないと思います。 日本人の中には,「日本にはそういう力が備わっていない」と思っている人が多いですが,一方のアメリカは,本当はパンク寸前で,経済がもう廻らなくなってきています。アメリカは,普通の人のレベルでも,家族のレベルでも,会社レベルでも,都市レベルでも,州レベルでも,そして国レベルでも,借金だらけです。誰がそのお金を貸しているかといえば,一番貸しているのは中国と日本です。日本がアメリカの借金を肩代わりしているのです。アメリカを支えていると言っても過言ではありません。もし,日本が「アメリカの国債を買わない」と言ったら,アメリカは次の日からもうダメです。日本はアメリカを支えているんです。経済的な力によって支えています。その力を使って,アメリカに対して「やめなさい」と言って欲しいわけです。 どういう風にそれが言えるかというと,「ヒロシマ・ナガサキ議定書」10)を使って言うことができます。ある意味,皆さんの将来を決める一番大事なことは,日本が「ヒロシマ・ナガサキ議定書」を支持するかどうかにかかっていま10) 注 4 を参照。