096号

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14 高知論叢 第96号②金融利用者の予想や直感的理解に一致すること。③広い範囲で異なる金融利用者の読み書き能力や言語能力に適合させること。④情報をその重要度に基づいて配置すること。⑤利用中および利用完了....

14 高知論叢 第96号②金融利用者の予想や直感的理解に一致すること。③広い範囲で異なる金融利用者の読み書き能力や言語能力に適合させること。④情報をその重要度に基づいて配置すること。⑤利用中および利用完了後も効果的な指示や事後確認を提供すること。 原則名の主語として「金融は」という文言を挿入した。これは前述したように,「金融サービスおよび金融環境」のことを表しており,金融ソフトウェアーと金融ハードウェアーの双方をふくむものである。 原則定義文については,「利用者」を「金融利用者」とし,さらに「利用方法」という文言に「金融の」を挿入して「金融の利用方法」とした。 ガイドラインについても,「利用者」を「金融利用者」とした。ただし,ユニバーサルデザインのガイドライン⑤では「操作中および操作完了後も」という訳を当てていたが,ここではハードウェアーだけでなくソフトウェアーの意味も含めるようにするため,「利用中および利用完了後も」という表現に変えた。 原則 3 は,金融利用にあたって,どのような状況にあるどのような人であっても,どう利用すればいいのかが直観的にすぐわかり,簡単に利用できるように金融サービスと金融環境を設計・管理・運営するという原則である。「金融における簡単性の原則」と名づけることにする。 金融利用者の経験, 知識, 言語能力などの多面的多様性を表す用語に加えて,「その時々の集中力のレベルにかかわりなく」という文言がさらに追加され,特別の注意力を必要としなくても容易に理解できるものであることが求められている。 この「簡単性の原則」は,金融ソフトウェアーと金融ハードウェアーの双方に適用されるものであるが,とりわけ金融ソフトウェアーにとっては重要なものになる。なぜなら第 1 に,金融はソフトウェアーが中心で無形的性格の情報が主たる利用対象物であるからであり,第 2 に,現実の金融が,この「簡単性の原則」と相反する方向に進んできたし,現に進みつつあるからである。 金融は,特殊な業界の専門用語や,業界の立場から考え出された専門用語が,そのまま一般に普及してきたからである。このため金融用語は難解であり,特殊な使い方をするものが多く,複雑で訳のわからないカタカナ表記の用語や概