096号 page 160/170

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158 高知論叢　第96号入る前に，すべての船がチェックされます。そうなると，我々のジャスト・イン・タイム方式の経済が廻らなくなってしまいます。アメリカの一番底辺レベルの人たちは，本当に必要なモノが手に入ら....

158 高知論叢　第96号入る前に，すべての船がチェックされます。そうなると，我々のジャスト・イン・タイム方式の経済が廻らなくなってしまいます。アメリカの一番底辺レベルの人たちは，本当に必要なモノが手に入らなくなるかもしれないという不安な情報が，流されています。　実は，もしアメリカで餓死するようなことが起こったら，日本の人口の半分も死んでしまうことになるんですよ。日本の食料自給率は40％にすぎないでしょう。日本は，貿易立国で，平和が必要な国です。そもそも，日本本土で戦争はできません。原子力発電所が多すぎるからです。貿易がなければ，自由にモノとお金と人が廻らなくなり，日本の経済が破綻してしまいます。これは日本にとって大きなダメージです。このことは，日本が平和の文化，核兵器廃絶のリーダーにならないといけない大きな理由でもあります。とにかく，今は本当に大事な，危ない時期です。　今のリーダーたちは，戦争文化から出てきた人たちです。その人たちの代わりに，平和と環境問題と社会問題を本当に理解できるリーダーを選ぶべきです。それができれば，地球を天国にできます。　「水がない」「エネルギーがない」と言われていますが，とんでもないことです。何もかもが十分すぎるほど存在しています。人間が使う全てのエネルギーが，太陽から40分で手に入ります。人間が 1 年で使う全てのエネルギーが40分で入るわけです。エネルギーは十分にあるんです。問題は，戦争文化のリーダーがすべてを決めてしまうことなのです。ですから，戦争文化のリーダーを捨てて平和文化のリーダーに置き換えることができれば，わりと速いペースで地球を天国にできます。今は，その分かれ道に立っているのです。　天国に行くか，地獄に行くか。それを決めるのは，核兵器廃絶の問題であり，そして，この問題で一番鍵を握っているのは，日本なのです。中でも，最も大きな鍵を握っているのは，日本の普通の人々，つまり，この教室に座っている皆さん，普通の草の根の人々なのです。だから，この 1 年は，本当に自分の将来のために考え，一生懸命行動する 1 年にしてください（拍手）。