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スティーブン・リーパーさん講演会159質疑応答(司会) どうもありがとうございました。今の問題や私たちに何ができるかについて,非常にわかりやすくお話頂きました,それでは,質問や意見を出して頂きたいと思いま....

スティーブン・リーパーさん講演会159質疑応答(司会) どうもありがとうございました。今の問題や私たちに何ができるかについて,非常にわかりやすくお話頂きました,それでは,質問や意見を出して頂きたいと思います。(学生) 講演ありがとうございました。私は高校の時にアメリカに 1 年間留学をしていまして,歴史の授業でヒロシマ・ナガサキについて学びました。その時,「アメリカが原爆を投下したことが終戦につながったので,アメリカは日本に対して良いことをした」と言っている人がいました。アメリカのほとんどの学校は原爆を落としたことを正当化している中で,スティーブンさんはなぜ反核運動をしようと思ったのかを,お聞きしたいと思います。(リーパーさん) 1984年(37歳)に初めて広島に来た時,僕もまったくそういう意見でした。資料館を見に行った時,「何人死んだか」「どれだけ人が苦しんだか」にはちっとも興味がなかったです。爆弾がどれだけ力があったかを知ろうと模型を見てみると,ところどころビルが建っているから,ちょっとがっかりしました。もっと強いものだと思っていたからです。それくらい,レベルの低い人間でした。 広島に来たのは,経営コンサルタントとしてでした。マツダやフォードの経営コンサルティングをしていたんですが,途中で会社を作って翻訳・通訳をするようになり,被爆者の証言や資料館の展示物の翻訳をしていくうちに,徐々に意識が変わってきました。そして,何よりも広島の人たち,特に平和を大事にする人たちや,反核運動をしている人たちと会って,変わっていきました。 また,以前はどちらかというと,環境問題に興味があったんですが,One World Ready or Not 11)という本を読んで,「これから20年,30年,11) William Greider, One World Ready or Not: The Manic Logic of Global Capitalism,Simon & Schuster, 1997.