096号

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160 高知論叢 第96号人間はとても大きなストレスを受ける。そのストレスを平和的に解決するか,暴力的に解決するかという分かれ道に立っている」ことを知りました。やっぱり平和がなければ環境問題を解決することは....

160 高知論叢 第96号人間はとても大きなストレスを受ける。そのストレスを平和的に解決するか,暴力的に解決するかという分かれ道に立っている」ことを知りました。やっぱり平和がなければ環境問題を解決することは不可能で,我々が直面している問題は戦争では絶対解決できないことがわかりました。それで,だんだん意識が変わってきました。 1997年に,経営コンサルティングの大きな契約をなくしました。そこで,別の契約を見つけるか,何か新しいことをするかの選択を迫られました。ちょうど 2 人の息子が大学を出る時期で,そんなにお金は必要なくなったので,自由を感じて,「じゃあ平和活動家になろう」と思ったんですね。でも本当は,「息子と孫のために何かしなければ」という危機感も感じていました。当時もそうだったし,今も戦争・暴力については非常に危険な時だと思っています。 僕が理事長になったのは,資料館を変えたり広島の人を正そうとすることとは全然関係なくて,2001年から平和市長会議というNGO で働いていたからです。いろんなNGO の人たちと会ったり,他の都市の市長と会ったり,国連で働いている人たちと会ったり,そうしたつながりがあったので,それを使って広島の外との関係やチームワークを強めていくために,理事長になりました。だから,世界でキャンペーンをするために,市長が僕を理事長にしたんです。これもまた,市長の危機感の表れでした。(学生) 「核兵器だけでなく,酸素も水も大事」と言われましたが,それはどうしてですか。(リーパーさん) 熱帯雨林の伐採をとめなければ,我々はいつか死ぬんです。酸素がなければ,生きていけません。50発の核兵器が都市で使われたら,「核の冬」が表れて,ほとんどの国が消えることになりますが,ほとんどの人は大きな核戦争はたぶんないだろうと思っています。可能性として一番心配しているのは,テロで核が使われることです。